◎消防当局によると、9日までに79人の死亡を確認し、行方不明者は61人になったという。
7月9日、フロリダ州のビル崩壊事故で復旧作業を続けている当局者は、行方不明になっていた猫を発見したと明らかにした。
マイアミ・デイド郡のダニエラ・レヴィンカヴァ市長は記者団に対し、「崩落現場の近くで行方不明になっていた飼い猫のビンクスが見つかり、約2週間ぶりに飼い主と再会した」と述べた。「皆さんに明るいニュースを提供できたことを嬉しく思います...」
ABCニュースによると、この地域で猫にエサをあげていたボランティアのひとりが瓦礫の近くでビンクスを発見し、地元の動物保護施設に預けたという。その後、ビンクスはビルの居住ネコだったことが判明し、事故を免れた家族と無事再会した。
マイアミデイド郡サーフサイドのチャンプレインタワーズサウスビル(南棟:12階建て)の一部は6月24日の午前1時15分頃に崩壊した。消防当局によると、9日までに79人の死亡を確認し、行方不明者は61人になったという。
当局は9日の復旧作業で3歳の少年を含む8人の遺体をあらたに回収した。少年の両親と妹はまだ見つかっていない。
数百人の消防士、警察官、警察犬、州の関係者たちは約2週間救助作業を行ったが、6月24日の崩壊直前以来、生存者は1人も発見されず、当局は7月7日午後、救助活動を終了し、復旧作業に移行すると発表した。
サーフサイドのチャールズ・バーケット市長は復旧作業への移行について、「最前線で救助作業にあたっていた全ての関係者が生存者はいないと判断した」と述べた。
救助活動終了に先立ち、関係者は崩壊現場の前で全ての犠牲者に黙祷を捧げた。
フロリダ州のロン・デサンティス州知事は9日の記者会見で行方不明者を全員見つけると誓い、当局は生存者と遺族を引き続き支援すると述べた。
現地メディアによると、酷暑の中で復旧作業に従事する職員をサポートするために、州の医療当局部門の要員が新たに現地入りしたという。
当局者は、瓦礫を撤去し終えるには数週間かかる可能性があると述べた。州の消防士や警察官たちはマイアミ、他の州、および海外から来た応援部隊の力を借りて、ほぼ休みなしで働いてきた。しかし先週、崩壊を免れたビルの一部が悪天候の影響で崩壊する可能性があったため、ほぼ丸一日活動中断を余儀なくされた。
築40年のチャンプレインタワーズサウスビルが崩壊した原因は分かっておらず、当局は調査を進めている。
2018年10月に行われた現場調査によると、ビル内のプールデッキとエントランス下の防水がうまく機能していなかったことが分かったという。防水の問題と崩壊の因果関係は不明。
またフロリダ国際大学のマイアミ環境研究所が2020年に実施した別の調査によると、当該地域では1993年から1999年にかけて地盤沈下の兆候が見られたという。しかし、調査の結果、地盤沈下や土地の段階的な変異がビルに影響を与える可能性はないと判断された。
チャンプレインタワーズサウスビルは崩壊直前まで屋根の修理を行っており、さらに多くの改修が計画されていた。
マイアミ・デイド郡のレヴィンカヴァ市長は市民に対し、崩壊に関連する写真や動画を国立標準技術研究所(NIST)に提供するよう呼びかけた。