◎フロリダ州緊急事態管理局のケビン・ガスリー氏は、今後数日間続くと予想されている荒天が捜索活動をさらに難航させる可能性が高いため、連邦政府に追加の応援を要請したと述べた。
2021年6月30日/フロリダ州サーフサイドのチャンプレインタワーズ近く、行方不明者の家族や関係者など多くの人々が写真や花束を供えた(AP通信)

6月30日、フロリダ州の消防当局はサーフサイドのビル崩壊事故で新たに4人の遺体を確認したと発表した。

マイアミデイド郡のレイド・ジャダラ消防署長は記者団に対し、「遺体の身元はまだ特定されておらず、死亡を確認した人は現時点で16人になった」と述べた。連絡が取れていない人は30日時点で147人。

同郡サーフサイドにあるチャンプレインタワーズサウスビル(南棟:12階建て)の一部は24日の午前1時15分頃に崩壊した。米主要メディアによると、2018年10月の構造現場調査の中でビル内のプールデッキとエントランス下の防水がうまく機能しておらず、鉄筋コンクリートに大きな損傷を与えていることが分かっていたという。

またフロリダ国際大学のマイアミ環境研究所が2020年に実施した別の調査によると、ビルのある地域は1993年から1999年にかけて地盤沈下の兆候が見られたという。しかし、地盤沈下や土地の段階的な変異が建物に影響を与える可能性はないと判断された。

州当局は防水機能の問題や地盤の変異が今回の崩壊に関連しているかどうかはまだ分からず、調査を進めていると述べた。

捜索活動にあたっている消防士のジミー・ペトロニス氏は地元メディアの取材に対し、「巨大なコンクリートの塊と複雑に絡み合った数万本の鉄筋がチームの行く手を阻んでいる」と述べた。

フロリダ州緊急事態管理局のケビン・ガスリー氏は、今後数日間続くと予想されている荒天が捜索活動をさらに難航させる可能性が高いため、連邦政府に追加の応援を要請したと述べた。

ガスリー氏は、「連邦政府の新しいチームは数日以内に到着する予定」と述べた。「現場の捜索隊は24時間体制で働いており、新たな人員は隊員にかかる負荷を軽減させるでしょう...」

当局は「捜索救助活動を継続する」と強調したが、24日の崩壊直後の救助活動以来、生存者は見つかっていない。

2021年6月30日/フロリダ州サーフサイドのチャンプレインタワーズ、捜索活動の様子(AP通信)

マイアミデイド郡のダニエラ・レヴィンカヴァ市長は建設エンジニアや地質学の専門家と建物の安全性の問題を協議し、同種の事故を防ぐための手引きを作成すると述べた。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は、戦場に誰も置き去りにしないという有名なコミットメントを引用し、「行方不明者とその家族のために活動を継続する」と誓った。「チームは諦めていません。私たちは捜索を止めません...」

ジョー・バイデン大統領は7月1日にサーフサイドで演説を行う予定だったが、捜索活動を考慮し予定をキャンセルしている。

専門家は捜索活動が難航している理由について、「数万トンのコンクリートとねじ曲がった数万本の鉄筋を極めて不安定な場所で行方不明者に配慮しながら除去することは言葉では言い表せないほど困難」と述べた。「グシャグシャの鉄筋、いつ崩れるか分からない瓦礫の山、火災、荒天、雷、熱波...捜索隊は汗と泥とプレッシャーにまみれています」

30日午後、チームは雷雲が接近していることを知らせるホーンを鳴らし、関係者に屋内に退避するよう指示した。

消防士のアラン・コミンスクー氏は、「作業は困難を極めているが、私たちは110%力を出し切る」と述べた。

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