◎マスク氏の人員整理が始まって以来、同社は混乱状態に陥っている。
テスラ社のイーロン・マスクCEO(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

連邦取引委員会(FTC)は10日、ツイッター社のプライバシーおよびコンプライアンス部門の責任者が退職したと報じられたことに深刻な懸念を示し、同社の動向を注視していると表明した。

FTCは声明でマスク(Elon Musk)CEOに言及し、「法の上に立てる者はいない」と述べた。

米主要メディアによると、マスク氏は社内会議で「倒産もあり得ない話ではない」と述べたという。

マスク氏の人員整理が始まって以来、同社は混乱状態に陥っている。

多くの専門家が認証バッジ(青いチェックマーク)が購入できるようになったことで、ツイッター内にフェイクニュースやヘイトクライムを垂れ流すアカウントが大量出現するのではないかと懸念している。

CNNニュースなどによると、同社のプライバシー部門とコンプライアンス部門の責任者が退職したという。

これにより、同社の偽情報やヘイトクライムをチェックする機能が弱まり、規制当局の命令に違反するリスクが高まったと多くのメディアがみている。

同社は今年5月にユーザーの個人情報を不正利用したとして1億5000万ドルの罰金を科され、新しいプライバシーポリシーを策定している。

FTCの広報担当は声明で、「我々は深い懸念を持ってツイッター社の最近の動向を追跡している」と述べている。

また広報担当は「最高経営責任者(CEO)や企業は法の上に立てない」と警告した。「企業はFTCの決定に従わなければなりません」

ツイッター社は5月に罰金を支払い、ターゲット広告のためにユーザーの個人情報を不正利用していたという疑惑を解決した。

ツイッター社はFTCの命令に基づく新しいプライバシーポリシーに同意し、プライバシーとセキュリティのプログラムを強化した。これを監督していたのが今回退職した幹部である。

マスク氏のCEO就任以来、多くの幹部が会社を去り、同社の広告およびマーケティングの責任者も退職した。一斉退職で人材が不足し、「ツイッターは規制を遵守できなくなるのではないか」という懸念が高まっている。

一部の大手広告主はマスク氏が偽情報やヘイトクライムを放置する可能性があることに不安を表明している。

ツイッターは収入の大半を広告スポンサーから得ているが、一部の大手広告主は、マスク氏の動きに懸念を示し、広告を停止している。

メキシコ料理ファストフードチェーン「チポレ・メキシカン・グリル」は10日、広告を停止した。ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲン、アウディ、医薬品大手ファイザー、チェリオス、ゼネラルミルズなど、多くのブランドも広告費の支払いを停止している。

これらのブランドはマスク氏がコンテンツのルールを緩和し、トランプ(Donald Trump)前米大統領などの物議を醸した人物に対する凍結が解除されたり、偽情報が拡散しやすくなったり、ヘイトクライムが増加することを懸念している。

広告主は偽情報・ヘイトクライム・偽アカウントのツイートと自社の広告が並ぶことを恐れている。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、マスク氏は社内会議で「会社の財務に確信が持てず、倒産もあり得ない話ではない」と幹部に語ったと伝えられている。またタイムズは、「同社のコミュニケーションチームは人員削減の影響を強く受けている」と報じた。

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