◎検査時間は約15分。医療保険の申請には医師の診断が必要である。
米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)のロゴ(AP通信)

食品医薬品局(FDA)が16日、性感染症のひとつである「梅毒」の家庭用市販検査キットを初めて認可した。

それによると、認可されたのはバイオテクノロジー企業NOWDxが製造する検査キット「First To Know」。

これは一滴の血液で梅毒に感染しているかどうかを知ることができる。検査時間は約15分。医療保険の申請には医師の診断が必要である。

FDAはこの検査キットについて、「何らかの理由で医師の診察を受けることができない、あるいは受けたがらない人々に新しい選択肢を提供できる」と期待を表明した。

梅毒は抗生物質で治療できる性感染症である。しかし、未治療のまま放置しておくと難聴、失明、筋力低下につながる神経損傷、内臓の損傷、その他命にかかわる深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国内における梅毒感染者は近年増加傾向にあり、2018年の約11万3000件以上から22年には約20万3000件に急増したという。

さらに先天梅毒として知られる、未治療の母親から生まれた赤ちゃんが感染するケースも増えている。22年には米国内で3755人の赤ちゃんが梅毒に感染した状態で生まれた。19年は1325人であった。

先天梅毒は流産、死産、早産、低体重児出産を引き起こす可能性がある。さらに、CDCによると、梅毒に感染した状態で生まれた赤ちゃんは骨の変形、重度の貧血、脾臓の肥大、皮膚の発疹、黄疸、脳や神経の障がいを持つ可能性があるという。

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