◎マスク氏は自身のプライベートジェットを追跡する@elonjetを訴えると宣言している。
イーロン・マスク氏のイラストとツイッターアカウント(Getty Images)

国連は16日、ツイッター社のマスク(Elon Musk)CEOを厳しくしかりつけ、「報道の自由はあなたのおもちゃではない」と警告した。

国連やEUなどはツイッター社がジャーナリスト数人のアカウントを凍結したことを非難している。

左寄りのニューヨーク・タイムズ紙、CNNニュース、ワシントン・ポストの記者もマスク氏に平手打ちされた。

国連は「報道の自由はおもちゃではない」とツイートし、EUはツイッター社に制裁を科すとプレッシャーをかけた。

ツイッター社の広報担当はAP通信の取材に対し、「今回の凍結措置はマスク氏の位置情報の追跡に関連するものだ」と語った。

マスク氏は自身のプライベートジェットの位置を追跡していたアカウント「@elonjet」を凍結。その後、このアカウントへのリンクをツイートしたとされる記者のアカウントも凍結したようだ。

フレミング(Melissa Fleming)国連事務次長はツイッターに声明を投稿。ジャーナリストがマスク氏の「凍結攻撃」に直面しているという報道に深刻な懸念を表明した。

またフレミング氏は「報道の自由はあなたのおもちゃではない」と非難した。「報道の自由は民主主義の礎であり、有害な偽情報との戦いに欠かせないものです」

EUの執行機関である欧州委員会のヨウロバー(Vera Jourova)委員はさらに厳しい反応を示し、「恣意的な記者のアカウント凍結はEU法違反で罰金を科される可能性がある」と警告した。

ヨウロバー氏はツイッターに、「イーロン・マスクは気づくべきだ」と投稿した「レッドラインを超えれば、厳しく対応します...」

マスク氏は今回の凍結についてコメントしていないものの、「一日中私を批判するのは全く問題ないが、私の位置情報を搾取し、私の家族を危険にさらすのは問題だ」とツイートしていた。

マスク氏はその後、「凍結を今、解除すべきか7日後に解除すべきか」を問うツイッター投票を行い、遅かれ早かれ凍結を解除すると示唆した。

マスク氏は「記者以外のユーザーも個人のプライベートな情報をオンラインで共有すればルールが適用される」と警告している。

ニューヨーク・タイムズ紙は今回の凍結について、「疑問であり、残念なことだ」と述べた。

マスク氏は自身のプライベートジェットを追跡する@elonjetを訴えると宣言している。

マスク氏は@elonjetを「狂ったストーカー」と呼び、位置情報がライブで共有された結果、ロスにいる自分の子供たちを乗せた車が呼び止められたと指摘した。

マスク氏の一部のフォロワーはストーキングに同情を示す一方、「世界一の超有名人がプライバシーを守ることは極めて難しい」と指摘している。

ドイツ外務省は16日、ツイッター社に「報道の自由を気まぐれでオン・オフに切り替えることはできない」と警告した。

マスク氏は10月、ツイッター社を440億ドルで買い取り、世界で最も高価なおもちゃを手に入れた。

マスク氏は買収完了を報告した際、「表現の自由を守り、完全に自由なデジタルの街を構築するためにツイッターを買ったんだ」と述べていた。

人権団体はマスク氏の言う完全な自由がヘイトスピーチ、フェイクニュース、暴力の扇動、脅迫などの蔓延につながると懸念している。

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