◎テスラ社の時価総額は20日時点で4500億ドルを大きく下回り、年初来の下落率は65%を超えた。
イーロン・マスクCEOとツイッターのロゴ(Getty Images)

ツイッター社のマスク(Elon Musk)CEOは20日、この仕事を引き受ける愚か者が見つかれば、同社のCEOを辞任すると明言した。

マスク氏は自身のツイッターアカウントでCEOを辞任すべきか否かを問う投票を行い、57.5%のユーザーが「はい」と答えた。

マスク氏はユーザーの声を尊重するとしたうえで、「愚か者が見つかれば譲る」と主張した。

10月の買収後、ツイッターは微妙に改変され、多くの批判が寄せられている。

マスク氏は職員の約半数を解雇し、認証バッジ(青いチェックマーク)の有料化に踏み切ったが、大手企業の偽アカウントが多数出現したことを受け、考えを改めた。しかし、認証有料化は先週、再スタートを切った。

人権団体はツイッターのチェック機能が著しく低下したと深刻な懸念を表明し、ヘイトやフェイクニュースが増加していると非難している。

マスク氏は先週、左寄りのジャーナリストのアカウントを一時的に停止したことで、国連とEUから警告を受けた。

国連は「報道の自由はおもちゃではない!」とツイートし、EUは「制裁を科す」と圧力をかけた。

マスク氏によると、CEOを引き継ぐ人物を見つけるのは難しく、それを引き受けるのはかなりの愚か者だという。

一部のアナリストは共同創設者のドーシー(Jack Dorsey)氏が復帰する可能性があると予想している。同氏は昨年11月にCEOを辞任した。

マスク氏は信任投票の結果が確定した後、「ツイッターを存続させるという仕事を望む人はいない」とツイートした。

主要メディアは後任候補にフェイスブックのサンドバーグ(Sheryl Sandberg)前COO、エンジニアでマスク氏の側近であるクリシュナン(Sriram Krishnan)氏、トランプ(Donald Trump)前米大統領の上級顧問を務めたクシュナー(Jared Kushner)氏などを挙げている。

マスク氏はユーザー投票に必ず従っていたが、今回は一筋縄ではいかない可能性がある。米CBSニュースは関係者の話を引用し、「マスク氏はCEOを辞めたがっている」と報じたが、マスク氏はこの報道をフェイクと一蹴した。

一部の保守的なツイッターユーザーは「トランプ大統領に経営を引き継ぐべきだ」と主張しているが、トランプ氏はアカウント復活後もツイートせず、マスク氏の話題にほとんど関心を示していない。

一方、マスク氏は認証バッジの有料化を再スタートさせたことについて、「私たちはゲームに参加している」とツイートし、ユーザーに有料アカウントを推奨した。

このサービスは月額8ドル、アップルのスマートフォンでツイッターを利用している人は月額11ドルで加入できる。加入者には政治家や著名人と同じく、ユーザー名の横に認証バッジがつく。

投資家たちはマスク氏がテスラ社の経営から遠ざかっていると懸念を示し、ツイッター社から距離を置くよう求めている。

テスラ社の時価総額は20日時点で4500億ドルを大きく下回り、年初来の下落率は65%を超えた。

マスク氏は買収資金を調達するためにテスラ株を数十億ドル売却している。

米証券会社ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリストであるアイベス(Dan Ives)氏は20日、「テスラの投資家にとってつらい悪夢のような状況はようやく修正されようとしている」とツイートし、マスク氏のCEO辞任に期待を表明した。

スポンサーリンク