◎裁判は終わり、取引も成立した。ツイッターが火星で使える日も近い。
イーロン・マスク氏のツイッターアカウント(Dado Ruvic/ロイター通信)

主要メディアによると、テスラ社のマスク(Elon Musk)CEOがツイッター社を正式に買収したという。

マスク氏は当初の提示価格である1株54.20ドル、総額約440億ドルでツイッター社を買収したと報じられている。

これにより、マスク氏とツイッター社による数カ月に及ぶ紛争も無事解決した。

マスク氏は今年4月、同社を440億ドルで買収すると発表した。

しかしマスク氏は7月、ツイッター社がボット(bot)やスパムアカウントの情報を開示せずに、「botやスパム数は全ユーザーの5%未満」と報告したことに腹を立てた。

同社はボット数を5%未満と説明しているものの、マスク氏はその数倍にのぼる可能性があると指摘していた。

マスク氏は5月時点で買収に興味が亡くなったと主張していたが、ツイッター社は取引から手を引くことはできないと反論。マスク氏の「エアオファー」に腹を立て、裁判に打って出たのである。

マスク氏は今月初めにこの問題について考えを改め、買収手続きを進めると表明。裁判を保留するようデラウェア州裁判所に求めていた。

ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナルなどが関係者の話を引用し、「買収完了」と報じた。

マスク氏は27日遅く、「鳥は解放された」とツイートし、買収完了を示唆した。

またマスク氏は同日、ツイッターのオフィスに流し台を持って入っていく動画を投稿している。

マスク氏は4月に買収をもちかけたものの、7月にボットの懸念を理由に契約解除に踏み切ろうとした。

ツイッター社はこれに猛反発し、マスク氏を提訴した。デラウェア州裁判所はマスク氏に対して、「28日までに合意に達するか裁判を続行するか」選択するよう命じた。

この取引により、ツイッター社は「イーロン・マスクのツイッター」に生まれ変わった。

ツイッターには買収を歓迎するツイートが多数寄せられている。

あるツイッターユーザーは「火星支社を開設しよう」とマスク氏に提案した。宇宙開発企業スペースXの創業者でもあるマスク氏は人類を火星に送り込むと約束している。

マスク氏は3月時点でツイッター社の大株主となり、4月に取締役に就任すると突然発表。しかし、その数日後、マスク氏は取締役会への参加を断念した。

4月、マスク氏はツイッター社を1株あたり54.20ドル(約440億ドル)で買収すると提案。この価格は当時の株価を38%上回るもので、ツイッター社を提案を受け入れた。

しかし1カ月後、マスク氏はツイッターがスパムやボットで汚染されていることに深刻な懸念を表明し、取引を留保すると発表。それからおよそ2時間後、マスク氏は考えを改め「取引にまだコミットしている」と主張した。

ツイッター社は「約束を守れ」とマスク氏に迫った。

しかし、マスク氏は7月に買収を打ち切ろうとした。その直後、ツイッター社はデラウェア裁に提訴し、三度取引を終えるよう迫ったのである。

7月に裁判所が下したスケジュール(10月に5日間にわたって裁判を行う)は、9月に4日間の裁判を求めたツイッター社の要求に近いスケジュールであった。

マスク氏は裁判所に対し、裁判の期日を2023年2月中旬に設定するよう求めていた。

しかし、裁判は終わり、取引も成立した。火星でツイッターが使える日も近い。

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