◎マスク氏は今年、テスラ株の急落を受け、世界一の富豪の座を失った。
ツイッター社のマスク（Elon Musk）CEOは14日、電気自動車メーカーテスラ社の株式2200万株、35億8000万ドル相当を売却した。
金融当局宛ての書類によると、この株式は3日間に分けて売却されたという。
これにより、マスク氏がこの1年間で売却したテスラ株は400億ドル近くに達した。
マスク氏は今週、世界一の富豪から陥落した。
報道によると、資金を調達した理由は不明。マスク氏はテスラ株の13.4％を保有する筆頭株主である。
マスク氏はツイッター社を440億ドルで買収した数日後、テスラの株式1950万株（39億5000万ドル相当）を売却した。
テスラ社は今年、主要自動車メーカーやテクノロジー企業の中で最もパフォーマンスの低い銘柄のひとつに上げられている。投資家はマスク氏がツイッターに注力しすぎていると懸念している。
テスラ社の時価総額は14日の取引時点で5000億ドルを下回り、年初来の下落率は55％に達した。
マスク氏は10月にツイッター買収を完了し、それ以来、かなりの時間をツイッター事業に注いでいるように見える。
ツイッター買収に当たりテスラ株数十億ドルを売却したことも株価を押し下げる要因のひとつとなった。
ツイッター買収は数カ月にわたる論争を経て完了したものの、買収に伴う混乱はテスラ社に波及し、マスク氏の資産を削り取った。
投資家は世界経済の低迷、主要政策金利の上昇に伴う借入コストの上昇、他社が電気自動車事業を強化したことでテスラ社の需要が鈍化する、といったことなどを懸念している。
テスラ社はリコール、複数の不可解な事故案件、自動操縦機能に関する政府の調査にも直面している。
マスク氏は今年、テスラ株の急落を受け、世界一の富豪の座を失った。
米経済誌フォーブスによると、マスク氏はナンバーワンの座を仏高級ブランドLVMHのアルノー（Bernard Arnault）CEOに奪われた。マスク氏の現在の資産は約1740億ドル、アルノー氏は約1910億ドルとなっている。
