◎ロシアのサイバー攻撃を受けオフラインになっていたコロニアル・パイプラインは5月13日の現地時間午後5時に操業を再開した。
2021年5月10日/メリーランド州ウッドバイン、コロニアル・パイプラインのドーシージャンクションステーション(ドローンベース/ロイター通信)

米主要メディアによると、ロシアのサイバー攻撃を受けオフラインになっていたコロニアル・パイプラインは5月13日の現地時間午後5時に操業を再開したという。

同社は声明の中で、「石油製品のサプライチェーンが正常に戻るまでには数日かかるだろう」と述べた。「コロニアル・パイプラインがサービスを提供する一部の市場では、断続的なサービスの中断や問題が発生する可能性があります。ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料の市場の混乱は数日続くと予想されています」

エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は13日、操業を再開する直前にコロニアル・パイプラインのCEOと電話で話したと述べた。

アメリカ最大のパイプラインであるコロニアル・パイプライン(全長約8,900km)は、東海岸で消費される全燃料の約45%を輸送している。同社は5月8日にロシアのハッカー集団、ダークサイド(DarkSide)の攻撃を受け、全てのパイプラインがオフラインになった。

ホワイトハウスは12日深夜の声明で、「南東部の州に大きな影響を与えた燃料供給の問題はまもなく終息する」と述べた。「バイデン政権は今後数日、南東部の燃料供給状況を注視します。ドライバーはガソリンを買い占めることなく、必要な量を購入してください」

南東部の州のガソリンスタンドではガソリン買い占め騒動が発生し、各地で大渋滞が発生した。アメリカ自動車協会によると、全国のガソリン単価は5月12日に1ガロン(約3.78リットル)3ドル(約330円)を突破したという。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は13日の声明で、「政府の対策チームは影響を受けた地域の燃料供給に関する最新情報を関係機関と共有し、供給不足をさらに緩和する措置の実施を検討している」と述べた。

ジョー・バイデン大統領は13日午後の会見で操業再開を歓迎した。「供給状況は今週末から来週中には正常に戻ると予想しています...」

2021年5月12日/ノースカロライナ州シャーロットのガソリンスタンド(AP通信/クリス・カールソン)

保守的なメディアやコメンテーターはガス供給の混乱に関する様々なコメントをソーシャルメディアに投稿し、市民の不安を煽った。

メディアインテリジェンス会社のZignal Labsはバイデン大統領を非難し、さらにバイデン大統領の対応を非難し、ついでにカナダのキーストーンXLパイプラインの建設中止は大きな誤りであり、「バイデンはガス欠に陥った」と嘲笑した。

保守的なフォックスニュースの政治評論家、トミ・ラーレン氏は「うわー」とツイートした。「今はガス欠、明日は食糧危機?...私は社会主義が進んでいるように感じます」

保守的なフォックスニュースチャンネルの司会者、ショーン・ハニティー氏は「バイデンガス危機」という言葉と笑顔のバイデン大統領を組み合わせた映像で保守派の笑いを誘った。「バイデンはガス欠を起こしました。そう、ガス欠です...」

保守派のリーダー、ドナルド・トランプ前大統領は公式HP「From the desk of Donald J.Trump(ドナルド・トランプの机から:通称ドナルドの机)」でバイデン大統領を嘲笑した。「ジョー・バイデンとジミー・カーターを比較している人がいるようです。私はジミー・カーターに失礼だと思いました。ジミーは危機の後に誤って危機を招きましたが、バイデンは危機の後に危機を作り出しました」

「最初にバイデン国境危機、次にバイデン経済危機、次にバイデンイスラエル危機、そして今はバイデンガス危機。ジョー・バイデンは、米国史上最悪のスタートを切った大統領です。いつの日か、人々は今回の災害をジミーと比較するでしょう。ジミーの方が良かった!」

民主党のジミー・カーター元大統領は人権外交を推進したが大きな成果を上げることはできず、イラン革命や旧ソビエトのアフガニスタン侵攻を許した。アメリカはイラン革命後のオイルショックで高インフレと不況に突入し、非難に直面したカーター元大統領は1980年の大統領選挙で保守派の大御所、ロナルド・レーガン元大統領に敗れた。

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