◎容疑者は屋根の上から独立記念日のパレードに向けてライフルを乱射した。
2022年7月4日/イリノイ州シカゴ近郊のハイランドパーク(Brian Cassella/Chicago Tribune/AP通信)

イリノイ州の警察当局は4日、シカゴ近郊のハイランドパークで銃を乱射し6人を殺害した22歳の容疑者を逮捕した。

クリモ(Robert Crimo)容疑者は現場から逃走したものの、数時間後に逮捕された。

容疑者は屋根の上から独立記念日のパレードに向けてライフルを乱射した。

バイデン(Joe Biden)大統領は犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、銃暴力に立ち向かうと誓った。

この銃乱射事件から数時間後、ペンシルベニア州フィラデルフィアの花火大会でも銃撃事件が発生し、警察官2人が負傷した。

クリモ容疑者は現地時間10時15分頃にライフルを乱射した。当局によると、5人が現場で死亡。1人は病院で死亡が確認され、25人が搬送された。25人のうち16人は退院している。

このパレードは独立記念日の祝賀行事のひとつで、山車、マーチングバンド、地域の催し物などが準備されていた。

事件を目撃した男性はAP通信の取材に対し、「最初は花火の音と思ったが、悲鳴が上がり、パニックになった」と語った。

警察によると、クリモ容疑者は近くの店の屋上からライフルを乱射した。警察はこのライフルも押収したとしている。

動機は不明だが、容疑者がSNSで事件をほのめかしていたとみられる。

AP通信によると、クリモ容疑者は「アウェーク・ザ・ラッパー(Awake the Rapper)」という名前でミュージシャンとして活動し、SNSに事件をほのめかす投稿をしていたという。

クリモ容疑者が動画を投稿していたと思われるSNSアカウントは凍結された。

イリノイ州知事は声明で、「銃乱射事件が常態化している」と深刻な懸念を表明した。

バイデン氏はホワイトハウスで会見し、国内で蔓延する銃乱射事件と戦い続けると誓った。

バイデン氏は先週、約30年ぶりとなる銃規制法案に署名したばかりだった。

この法律は21歳未満の銃購入者の身元調査拡大や、裁判所に危険とみなされた個人から銃を押収する緊急プログラムを導入している州への資金提供などの措置が含まれている。

しかし、バイデン氏が求める殺傷能力の高い自動小銃やライフルの販売禁止などは含まれなかった。銃規制賛成派はこの法律を「不十分」と批判している。

2022年7月4日/イリノイ州シカゴ近郊のハイランドパーク(Brian Cassella/Chicago Tribune/AP通信)
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