◎米政府がテロ組織に指定しているHTSとの接触を認めたのは、旧アサド政権が崩壊して以来初めて。
.jpg)
米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は14日、シリアの旧アサド政権を崩壊させた反体制派のリーダー、タハリール・アルシャーム機構(HTS)と接触したと明らかにした。
ブリンケン氏は訪問先のヨルダンで記者団に対し、「我々はHTSを含むシリア当局者と接触している」と語った。
米政府がテロ組織に指定しているHTSとの接触を認めたのは、旧アサド政権が崩壊して以来初めて。
HTSとその同盟組織は先月末、アサド(Bashar Assad)前大統領の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。第3の都市ホムスも奪取した。
HTSは7日、ダマスカスを制圧し、アサド政権の終焉を宣言。さらにHTS司令部は8日、アサド氏が国を去ったと発表した。
旧アサド政権は9日、アル・バシル(Mohammed al-Bashir)首相率いる野党主導の暫定政府に権力を移譲することに同意した。
HTSは内戦下のシリアで活動する反政府勢力のひとつ。「国際テロ組織アルカイダ」のシリア支部とみなされ、北西部イドリブ県に本部がある。
HTSの指導者であるジャウラニ(Abu Mohammad Al-Julani)氏が暫定政府に関与するかは分かっていない。米国はジャウラニ氏に1000万ドルの懸賞金をかけている。
米政府は2018年にHTSをテロ組織に指定。米国はそのような組織との交渉をほぼ避けてきた。
ブリンケン氏はHTSとの接触について、「シリアの将来に対するより広範な米国の目標に基づいている」と説明した。
またブリンケン氏は「関係当局に2012年の取材中に行方不明になった米国籍のフリージャーナリストを見つける必要性を印象づけた」と述べた。
さらに、「米国、国連、EU、トルコ、アラブ連盟8カ国の外交官が協議した平和的な政権移行プロセスについて、HTSの理解を求める」という考えを示した。
ブリンケン氏は「HTSを含む関係者にそれらを伝えた」と述べた。
2018年5月、当時のトランプ(Donald Trump)大統領はアルカイダとのつながりを理由に、HTSをテロ組織に指定した。