◎投資家がリスク資産を売却しているのは、FRB(米連邦準備制度理事会)を含む中央銀行が金利を引き上げているためである。
ビットコインのイメージ図(Getty Images)

仮想通貨(暗号通貨)のビットコインは18日、2020年後半以来となる2万ドル割れを経験した。

暗号通貨ニュースサイト「コインデスク(CoinDesk)」によると、米東海岸の取引所のビットコイン価格は18日午後遅くの時点で1万8600ドルを下回り、前日から9.7%急落した。

コインデスクは、「ビットコインがこの水準に達したのは2020年11月以来」と報告している。

一部の業界関係者は、「一時7万ドル近くに達したビットコインが再び2万ドルを下回るとは考えてもいなかった」と述べている。

ビットコインの現在の価値はピーク時の30%を下回っている。

広く支持を集めている「イーサリアム(Ethereum)」もここ数週間下落していたが、18日に同様の急落に見舞われた。

仮想通貨は金融市場以上の混乱に直面している。ウォール街はこの1週間、コロナウイルスの大流行が始まった2020年以来の急落を経験した。

投資家がリスク資産を売却しているのは、FRB(米連邦準備制度理事会)を含む中央銀行が金利を引き上げているためである。

金利の上昇はインフレを抑えるが、消費者や企業の借入コストを増加させるため、当然株式や仮想通貨などの取引に影響を与える。

仮想通貨の価値を追跡する「CoinMarketCap.com」によると、仮想通貨資産の全体の市場価値はピーク時の約3兆ドルから18日午後の時点で8160億ドルまで減少したという。

上院は先週、相次ぐ仮想通貨の投げ売りを受け、デジタル資産を規制する超党派法案を提出した。AP通信によると、仮想通貨業界はロビー活動を活発化させ、今年初めて議会選挙に2000万ドルを投じていたという。

米上下両院はこの法案を賛成多数で可決するとみられる。

暗号資産融資企業「セルシウスネットワーク(Celsius Network)」は今月、資金の引き出しと送金を一時停止すると発表し、170万人の顧客を驚かせた。同社はいつ資金へのアクセスを可能にするか明らかにしていない。

別の仮想通貨プラットフォーム「バベルファイナンス(Babel Finance)」も今週、「異常な流動性圧力」という理由で出金を一時停止すると発表した。

仮想通貨交換プラットフォーム「コインベース(Coinbase)」は今週、従業員の約18%を解雇したと発表した。同社のCEOと共同創設者は「仮想通貨の冬来る」と説明している。

仮想通貨はスーパーボウルの広告で大々的に宣伝され、著名人やユーチューバーも日常的にソーシャルメディアでその価値を宣伝するなど、大衆文化に浸透しつつある。

多くの専門家がこの投げ売りを「規制当局の失敗」と呼び、「この業界の監視体制をもっと厳しくすべき」と指摘している。

ビットコイン愛好家グループはツイッターに、「この暴落は多くの新興投資家、特に若者の首を絞める」と投稿している。「彼らの多くが偽りの情報に基づいて投資しています。詐欺に引っ掛かったと思ってあきらめるしかないでしょう」

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