◎移民抑制政策「タイトル42」は5月11日に期限を迎える。
メキシコ、米国への亡命を希望する家族(Getty Images)

米政府は2日、移民抑制政策「タイトル42」が期限を迎えることを受け、メキシコ国境に陸軍兵士1500人を追加派遣すると発表した。

コロナの世界的な大流行を受けトランプ政権が施行したタイトル42は米国に不法入国した移民を強制送還できると定めている。

国防総省の報道官は2日の記者会見で、「国境に追加配備される兵士は国土安全保障省の要請に基づき、90日間業務に当たる」と語った。

また報道官は「1500人は5月10日までに現地入りする予定」と明らかにした。

国土安全保障省は国防総省の発表に先立ち、「陸軍兵士はデータ入力や倉庫の運営・管理といった非法執行業務を行うことになる」と声明を出した。不法移民の取り締まりには国境警備隊と州警察が当たるとしている。

タイトル42の終了により、亡命を希望する中南米の移民が南部テキサス州などの国境に押し寄せると予想されている。

タイトル42は米国内で拘束された不法入国者を入国前の国に戻し、法に基づいた亡命申請の機会を与えるものである。

バイデン政権は今年1月、タイトル42終了後の混乱に対処する取り組みの一環として、不法入国者を減らす規則を発表した。

この規則はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの亡命希望者を毎月3万人受け入れ、2年間の労働許可を与えるとしているが、許可を得るためには身元確認を含む「正規の入国手続き」をクリアしなければならない。

タイトル42は5月11日に期限を迎える。人権団体はこれとバイデン政権の規則を「非人道的」と非難している。

ホワイトハウスのジャンピエール(Karine Jean-Pierre)報道官は2日午後の記者会見で、「国防総省の追加要員が国境で管理業務を行う」と述べた。

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