◎ABCニュースによると、「ホワイトハウスは連邦政府職員のワクチン接種を義務化し、何かしらの理由で接種できない個人に対してはマスク着用の強制と厳格な感染予防対策を命じる予定」だという。
2021年7月27日/バージニア州マクリーンにある国家情報局長、ジョー・バイデン大統領(イブリン・ホックスタイン/ロイター通信/ABCニュース)

米主要メディアによると、ジョー・バイデン大統領は全ての連邦政府職員に対するコロナワクチン接種義務化を検討しているという。

ABCニュースは恐らく7月29日(現地時間)に新たな情報が発表されると報じた。ABCによると、「ホワイトハウスは連邦政府職員のワクチン接種を義務化し、何かしらの理由で接種できない個人に対してはマスク着用の強制と厳格な感染予防対策を命じる予定」だという。

退役軍人省は26日、省内の全ての医療従事者にワクチン接種を命じた。また疾病予防管理センター(CDC)は27日にデルタ株に関する新しいデータを示したうえでマスクガイドラインを見直し、コロナウイルス対策の重要性をあらためて国民に呼びかけた。

連邦政府はアメリカ最大の雇用主であり、職員数は約210万人にのぼる。

バイデン大統領は27日午後の記者会見で、「職員に対するワクチン義務化を検討中」と示唆したが、それ以上の情報は明らかにしなかった。

また、バイデン大統領はCDCのガイドライン見直しについて、「私たちは引き続きワクチン未接種者に焦点を当てる」と述べた。「ワクチン未接種者がパンデミックを引き起こしています。彼らはマスクを外し、コロナだけでなく混乱もまき散らしています。私たちはコロナウイルスと変異種、特にデルタ株について学び、心配しなければなりません」

「残り1億人がワクチン接種を受けた場合、アメリカは全く異なる世界になります。ワクチンを接種してください。拒否する人、あなたは思っているほど賢くありません」

CDCは27日遅くの声明で、「医療能力を圧倒し、症例数と死亡者数を増やす可能性がある新たな変異種の急増を防ぐために、ワクチン接種を加速させる必要がある」と警告した。

2021年7月27日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、ジェン・サキ報道官(Susan Walsh/AP通信)

アメリカの感染状況は上昇傾向にあり、27日の新規陽性者数は久しぶりに10万件を超えた。死亡者数は冬のピーク時に比べると大きく減少したが、それでも300~400人前後を維持している。

感染拡大を受け、政府はホワイトハウスの職員およびマスコミ関係者に28日からはマスクを着用してホワイトハウスに入るよう求めた。

カマラ・ハリス副大統領の補佐官は、27日に開催されたネイティブアメリカンの指導者との会談に先立ち、マスコミ関係者にマスクを配り、着用するよう求めた。

AP通信によると、下院もマスク着用ルールを復活させたという。

議会議事堂の主治医を務めるブライアンP.モナハン博士は27日遅く、議会内に立ち入る時はワクチン接種の有無にかかわらず、全ての個人にマスク着用を求めるというルールを再発出した。

バイデン大統領は、CDCの新しいマスクガイドラインは混乱を引き起こす可能性があるという懸念を却下し、「大きな混乱を引き起こしているのはワクチン未接種者である」と記者に反論した。

CDCは今年5月にワクチン接種者はマスクから卒業できるとガイドラインを見直したが、今回の再見直しで卒業証書は取り消された。

一方、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は27日の定例記者会見で、「なぜ政府は今まで職員にワクチン接種を強制しなかったのか?」という質問を受け流し、「ワクチン義務化政策がバイデン大統領と敵対する組織および個人の反ワクチン運動を加速させる可能性があるという懸念を認識している」と認めた。

バイデン大統領はこれまでワクチン義務化の議論を避けてきた。義務化を実行すれば、反ワクチン運動を加速させるだけでなく、共和党とのさらなる衝突に発展する可能性がある。

サキ報道官は記者団に対し、「バイデン大統領は義務化を拒否するコミュニティがあることを認識している」と述べた。

カマラ・ハリス副大統領は27日、5月13日以来約2カ月半ぶりにホワイトハウス内でマスクを着用した。

記者からマスク復活について尋ねられるとハリス副大統領は肩をすくめて、「マスクが好きな人はいない」と答え、「現在亡くなっている人の99%以上がワクチン未接種者です」と強調した。

「ワクチンを接種してください。それが混乱を断ち切る唯一の方法です。マスクが好きな人はいません。ワクチンを接種しましょう。それだけです」

2021年7月27日/ワシントンD.C.ホワイトハウス複合施設、アイゼンハワー行政府ビルの副大統領オフィス(Manuel Balce Ceneta/AP通信)
スポンサーリンク