◎ウクライナ大統領府によると、ロシア軍による直近24時間の攻撃で民間人少なくとも11人が死亡、数十人が負傷したという。
ウクライナ、東部ドネツク州バフムート、大砲を撃つウクライナ兵(Libkos)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は29日、ロシア軍による東部と南部への攻撃が続いていることを受け、同盟国に対し、長距離兵器と防空システムの供与を急ぐよう訴えた。

ウクライナ大統領府によると、ロシア軍による直近24時間の攻撃で民間人少なくとも11人が死亡、数十人が負傷したという。

南部ザポリージャ州ではロ軍の攻撃で少なくとも31人が負傷したと報告されている。

ゼレンスキー氏はテレグラムに声明を投稿。「我が国の都市やコミュニティは毎日、ロシア軍の非人道的な攻撃に直面し、苦しんでいる」と書き込んだ。

またゼレンスキー氏は「これを克服するためには、長距離兵器でロシア軍の攻撃拠点を破壊し、防空システムで飛来するミサイルや爆弾を打ち落とすしかない」と強調した。

ゼレンスキー氏は地面にできた大きなクレーターと、その横に並べられた遺体の写真も投稿した。

ウクライナ軍参謀本部は29日、東部ドネツク州郊外の住宅地に砲弾が撃ち込まれ、子供2人を含む7人が死亡、数人が行方不明になっていると報告した。

それ以外にも複数の町や集落がミサイルやドローン攻撃を受けたとみられる。

ロシア国防省はこれらの攻撃に関するコメントを出していないが、ウ軍が武器や装備品の積み下ろしに使用している鉄道をミサイルで破壊したと主張した。

一部の西側諸国はウクライナにロシア領内を攻撃できる射程を持つ長距離兵器を供与している。

米国は東部ハルキウ州防衛に限定し、米軍が供与した武器でロシア領内を攻撃することを認めた。

ゼレンスキー氏は同盟国の支援に感謝しながらも、「決断の遅れが死者の増加に直結することを忘れないでほしい」と訴えた。

ウクライナの最大の支援国である米国の武器供与は今年の早い段階でストップした。民主党と共和党の争いに巻き込まれた法案は4月にようやく可決され、翌月、待ちに待った防空システムと長距離兵器が前線に届いた。

ウクライナはその間に多くの人命を失い、ロシアの前進を許した。ゼレンスキー氏は米法案の遅れが武器不足を招いたと非難し、さらなる支援を求めている。

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