◎セルビアはロシアのウクライナ侵攻を非難しているが、欧州の経済制裁には参加していない。
セルビア、首都ベオグラード、ブチッチ大統領(右)とプーチン露大統領(Darko Vojinovic/AP通信)

セルビア政府は25日、クロアチアの外相がブチッチ(Aleksandar Vučić)首相を「ロシアの偵察衛星」と呼んだことに反発し、抗議文を送った。

両国は1990年代のユーゴスラビア紛争・解体以来、何度も対立してきた。

クロアチアのラドマン(Grlić Radman)外相は24日、国営テレビのインタビューで「ブチッチ首相はロシアとEUのどちらにつくか、決めなければならない」と語った。

またラドマン氏はブチッチ氏を「ロシアの偵察衛星」と呼び、「ロシアの同盟国であり続けても、西バルカンの安定を損なうことは許されない」と警告した。

ブチッチ氏とその極右政党はこの発言に怒りの反応を示した。

ブチッチ氏はインスタに声明を投稿。「クロアチア政府がセルビアの内政に残忍に干渉し、さらに、いつものようにセルビア国民を嘘で侮辱した」と書き込んだ。「私はラドマンさんの言う通り、誰かの衛星かもしれない。しかし、私は誰のしもべになったこともない...」

セルビア外務省は抗議文の中で、「クロアチア政府が今後、セルビアの内政に干渉する発言を控え、両国の和解・友好政策を追求することを期待する」と表明した。

この抗議文に対し、クロアチア外省はセルビアの内政に干渉したという主張を否定。「政府当局者はロシアのウクライナ侵略に関するEUの外交・安全保障政策とそれに賛成しないセルビアについて事実を述べたのみである」と応戦した。

セルビアはロシアのウクライナ侵攻を非難しているが、欧州の経済制裁には参加していない。

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