◎ニカラグアの独裁者オルテガ大統領は反政権派を擁護する司祭らを「テロリスト」と呼び、弾圧している。
2023年3月17日/ニカラグア、首都マナグア中心部の教会前(Inti Ocon/AP通信)

バチカン政府は18日、ニカラグアの大使館を閉鎖したと明らかにした。

AP通信によると、駐ニカラグア・バチカン大使は17日に大使館を閉鎖し、コスタリカに向かったという。

ニカラグアの独裁者オルテガ(Daniel Ortega)大統領は反政権派を擁護する司祭らを「テロリスト」と呼び、弾圧している。

オルテガ政権とバチカンの関係はニカラグアの市民が暴力的な取り締まりで弾圧された2018年以来、悪化し続けている。

オルテガ政権は先週、バチカンとの国交断絶を提案していた。地元メディアによると、それが実現するかどうかは不明。提案の詳細も不明である。

2018年の弾圧時、一部のカトリック指導者はデモ隊を教会に避難させ、その後、政府と野党勢力の仲介を務めようとした。

オルテガ氏はこれに激怒し、バチカンが内政に干渉したと非難。指導者らを「テロリスト」と決めつけ、これまでに数十人を逮捕・投獄した。一部の指導者は国外に避難している。

マザー・テレサが創設した慈善団体神の愛の宣教師会(Missionaries of Charity)」も昨年、閉鎖を命じられた。この団体は児童福祉施設、女子寮、高齢者施設などを運営していた。

当局はこの団体を「西側の手先」と呼び、「外国エージェント」に指定した。

マタガルパの著名な司祭であるアルバレス(Rolando Álvarez)氏は先月、反体制派222人と司祭を米国に亡命させる飛行機への搭乗を拒否し、禁固26年を宣告され、市民権を剥奪された。裁判は刑務所内で行われた。

フランシスコ教皇(Pope Francis)はニカラグアの弾圧についてほとんどコメントしていない。しかし、アルバレス氏の投獄には怒りを露わにした。

教皇は先週、アルゼンチンメディアの取材に対し、オルテガ政権を「バランスの悪い大統領」が率いるアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)に匹敵する「無礼な独裁政権」と呼んだ。

バチカン放送局によると、在ニカラグア・バチカン大使館の管理は外交慣例によりイタリア政府に委託されていた。

同局は「駐大使はEU、ドイツ、フランス、イタリア大使らに別れの挨拶をし、大使館を閉鎖した」と報じている。

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