◎庶民院(下院)内でポルノを鑑賞した与党保守党のニール・パリシュ議員が辞意を表明した。
2022年4月28日/イギリスのボリス・ジョンソン首相(Peter Byrne/Pool/AP通信)

イギリスの保守党議員は30日、庶民院(下院)内でポルノを鑑賞したことを認め、辞職した。

2010年から下院議員を務めているニール・パリシュ議員は、5月5日に予定されている地方選挙に先立ち、ボリス・ジョンソン首相のパーティーゲート事件の疑惑払拭に努めている保守党員の圧力に直面し、辞意を表明した。

この地方選挙はジョンソン政権の命運を左右する重要な一戦と考えられており、有権者が保守党を見限れば、ジョンソン首相に対する辞任圧力はさらに高まると予想されている。

野党はパーティーゲート事件を「恥」と呼び、首相に引退を勧告している。

一方、下院の環境・食糧・農村問題委員会の委員長を務めるパリシュ議員はポルノ鑑賞を「狂気の瞬間」と表現し、謝罪した。

パリシュ議員はBBCニュースのインタビューの中で、「トラクターのウェブサイトを見ようとして、似たような名前のポルノサイトに行き当たり、ちょっとだけ見てしまった」と告白した。「私の最大の罪は、別の機会に、ポルノサイトを見てしまったことです。それは間違いではなく、意図的でした...」

宰相ウィンストン・チャーチルの歴史的演説を含む数多くの伝説を生んだ庶民院で議員がポルノを鑑賞したという報道は嵐を巻き起こし、苦情が殺到した。

酒・たばこ・マッチョな文化で知られている庶民院も、今では約40%が女性で占められるようになり、多様性のある場所に生まれ変わった。しかし、女性議員や職員によると、一部の男性議員は多様性の強化や性暴力の取り締まりなどに賛成しつつ、女性への嫌がらせや不適切な行為を繰り返しているという。

スコットランドのスタージョン首相はパリシュ議員の辞職について、「英国中の人々がもう十分だ と言っている」と一蹴した。「この数日間で、この特定の議員について明るみに出たことは、本当にあり得ないと思います...」

「この議員は有権者の代表として議会に出席し、携帯電話でポルノを見ていました」

保守党はパリシュ議員に停職を命じていたが、問題がイギリスから世界に飛び火したことを受け、引退を勧告したと思われる。

パリシュ議員はBBCに「自分のしたことは絶対に完全に間違っていた」と述べ、国民に謝罪した。「私はこのことを一生背負って生きていかなければなりません。私はとんでもない過ちを犯しました。それを世界に伝えるために取材に応じたのです」

またパリシュ議員はポルノを見て女性議員に圧力をかけていたという一部メディアの報道を否定した。「私のしていたことは完全に間違いですが、私がポルノで女性を脅迫していたという疑惑は完全に間違いです...」

パリシュ議員は「なぜ議会でポルノを見ようと思ったのか?」と問われると目に涙を浮かべ、「あの時の私の感覚は自分の良識とは完全にかけ離れていた」と答えた。「私は間違っていました。私は愚かでした。私は心の感覚を失っていました」

ジョンソン首相のパーティーゲート事件とパリシュ議員のポルノ事件は5月の地方選挙に影響を与えると予想されている。保守党が悪い結果を出せば、ジョンソン首相への辞任圧力は強まるだろう。

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