◎裁判所は12日にシシマリン軍曹を起訴した。
2022年5月13日/ウクライナ、首都キーウの裁判所、拘束されたロシア軍兵士(Efrem Lukatsky/AP通信)

ウクライナの首都キーウで13日、ロシア軍捕虜の戦争犯罪裁判が始まった。

21歳のシシマリン(Vadin Shyshimarin)軍曹は2月末に北東部の村で自転車に乗っていた62歳の民間人を射殺したとされる。

裁判所は12日にシシマリン軍曹を起訴した。有罪が確定すれば終身刑に処される可能性がある。

ウクライナの検察当局は西側諸国と協力してロシア軍の戦争犯罪を調査している。首都キーウ郊外のブチャで民間人の大量虐殺が報告されて以来、その数は数千件に達した。

ロシアは民間人への攻撃を否定しており、シシマリン被告の裁判に関する声明も今のところ出していない。

被告はドネツク州シュミー近郊の村で他の兵士と盗難車に乗っていた際、自転車に乗っていた62歳の民間人を車内から撃ち殺害したとされる。

検察によると、シシマリン被告は「その民間人はウクライナの守備隊にロシア軍の居場所を教える可能性があったため、射殺するよう命じられた」と当時の状況を説明したという。

シシマリン被告が拘束された時の状況や、盗難車に乗っていたとされる他のロシア兵がどうなったかなどは分かっていない。

シシマリン被告は13日の予備審問で自分の個人情報(名前など)を話した。本格的な審理は来週から始まる予定。

ロシア軍の占領下に置かれた地域では民間人のものと思われる集団墓地が複数見つかり、数百から数千の遺体が収容されたと伝えられている。

米国を含むウクライナの一部の同盟国はロシア軍が民間人の死に関わったと非難しているが、ロシアは関与を否定している。

キーウの検察当局はロイター通信の取材に対し、「まもなく同じような戦争犯罪裁判がたくさん始まるだろう」と語った。

スポンサーリンク