◎ボルシチはボリュームたっぷりのスープで、通常はビーツで赤く着色されるが、緑や白も美味しく、主に東欧諸国で愛されている。
ウクライナのボルシチ(Getty Images)

国連教育科学文化機関(UNESCO)は1日、ウクライナのボルシチ(主にビーツとジャガイモで作られるスープ)の調理法を無形文化遺産に登録し、ボルシチ論争に終止符を打った。

ユネスコはツイッターに、「ロシアによる侵攻がウクライナのボルシチを脅かしている」と投稿した。

ウクライナのトカチェンコ(Oleksandr Tkachenko)文化情報相はテレブラムの投稿でユネスコを称賛し、「我々はボルシチの戦いに勝利した!」と宣言した。

ロシア外務省は決定を嘲笑し、「ロシアで生まれたロシアのボルシチを保護する必要などない」と一蹴した。

ボルシチはボリュームたっぷりのスープで、通常はビーツで赤く着色されるが、緑や白も美味しく、主に東欧諸国で愛されている。

ウクライナはボルシチを国民食とみなしているが、ロシアをはじめとする旧ソ連構成国やポーランドでも広く食べられており、ボルシチ起源問題を引き起こしている。

複数の国が原産地、料理名の綴り、肉の有無、スープの上に乗せるサワークリームの有無など、様々な主張で言い争っている。

ウクライナのSNSユーザーは「ボルシチ=ウクライナ」と主張し、ポーランドのあるユーザーは「ポーランド人は15万5000年前からボルシチを食べている」と主張している。

ウクライナは2020年にこの料理の調理法を無形文化遺産に登録するようユネスコに申請し、2023年には登録されると予想されていた。

ユネスコはプレスリリースの中で、「ロシアのウクライナ侵攻でこの料理も負の影響を受けたため、登録プロセスを早めた」と述べている。

またユネスコは、この料理に必要な地元の野菜が栽培できなくなったり、この料理に精通する人が戦争の犠牲になり、それを伝える場が失われ、存在が脅かされていると指摘した。

トカチェンコ文化情報相は、「ボルシチ戦争でもこの戦争でも我々は勝つだろう」とSNSに投稿している。

一方、ロシア外務省のザハロワ(Maria Zakharova)報道官はテレグラムでこの決定を嘲笑した。「私たちのボルシチを保護する必要はなく、ウクライナの皿の上にある料理は即座に完全に破壊されるべきです」

「フムス(豆料理)とプロヴァンス料理はいくつかの国の国民食に指定されています。私が見たところによると、すべてがウクライナ化の対象になっています。次は何ですか?今度は豚肉がウクライナの国民食になるのでしょうか?」

ボルシチは夏でも冬でも楽しめる料理であり、野菜や肉のスープをベースにすることもある。

その起源について答えを出すことは難しいが、ウクライナ人に欠かせない非常に重要な料理であることは確かである。

多くの専門家がボルシチの起源を「東欧の広い範囲」と考えている。

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