◎バフムートではこの戦争で最も血なまぐさい戦いが繰り広げられ、両軍の兵士数万人が死傷したと推定されている。
2023年4月27日/ウクライナ、東部ドネツク州バフムート(Libkos/AP通信)

ウクライナ軍参謀本部は12日、東部ドネツク州の激戦地バフムートの一部を奪還したと発表した。

バフムートではこの戦争で最も血なまぐさい戦いが繰り広げられ、両軍の兵士数万人が死傷したと推定されている。

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は同日、SNSに投稿した声明で、「ロシアの正規軍がバフムート近郊の拠点から逃亡している」と明らかにした。

一方、ロシア国防省はウクライナ軍が同地域の北側で攻勢を強め、突破口を切り開いたとするロシア人ブロガーの憶測を否定した。

ウクライナ軍参謀本部によると、近郊で活動する特殊部隊は今週、バフムート南部で約2km前進したという。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はビデオ演説で、「12日にシルスキー(Oleksandr Syrskyi)陸軍司令官軍らと会談し、その部隊が敵を阻止し、いくつかの方向に大きく押し返した」と報告した。

またゼレンスキー氏は自軍を称賛し、ロシア軍の士気の低さを指摘した。「占領軍は精神的に追い詰められ、敗北を覚悟しています。彼らは心の中で負けを認めています。我々は彼らの敗北感が、彼らの後退、ミス、損失につながるよう、彼らを追い込まなければなりません...」

国防省はテレグラムに声明を投稿。ウクライナ軍がバフムートの一部地域をロシア軍から奪還したと報告した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)戦略広報調整官は12日の記者会見で、「米国はバフムートが依然として紛争地域であると評価している」と述べた。

またカービー氏はブリゴジン氏の声明を念頭に置き、「ロシア軍はバフムート奪還を諦めていない」と指摘した。

米政府、シンクタンク、多くの専門家がバフムートの戦略的価値に疑問を投げかけているが、ロシアはこの8ヶ月間、そこに戦力と兵器を投入し、膨大な損失を計上してきた。

ウクライナ大統領府によると、直近24時間のロシア軍による攻撃で民間人少なくとも2人が死亡、22人が負傷したという。

ドネツク州のキリレンコ(Pavlo Kyrylenko)知事は声明で、クラマトルスクの学校や民家が砲撃を受けたと明らかにした。それによると、同州の11の町と村が被害を受け、少なくとも12人が死傷したという。

スポンサーリンク