◎ウクライナ軍によると、直近24時間のロシア軍による攻撃は180回を超え、その大半がエネルギーインフラに対するものだったという。
2022年12月29日/ウクライナ、首都キーウ郊外、ロシア軍のミサイル攻撃を受けた民家と当局者(Getty Images/AFP通信)

ウクライナ当局は30日、イラン製ドローン16機が各地に飛来し、そのうち7機が首都キーウを標的にしたと発表した。

ウクライナ軍によると、飛来したドローンはすべて撃墜されたという。

ロシア軍は前日、各地にミサイル少なくとも69発を撃ち込んだ。ウクライナ軍はこのうち54発を防空システムで撃墜したものの、エネルギーインフラに対する執拗な攻撃で今も数百万人が停電の影響を受けている。

キーウのクリチコ(Vitali Klitschko)市長によると、ドローンの飛来は30日の現地時間午前2時以降に確認されたという。

クリチコ氏はテレグラムに、「5機は空中で、2機は接近中に撃墜された」と投稿している。

ロイター通信によると、キーウ市内で爆発音と対空砲火の音を確認できたという。

ウクライナ軍はキーウの被害状況について、建物2棟の窓ガラスが破損したと報告した。負傷者はでなかったようだ。

大統領府は30日の声明で、「4階建ての行政庁舎にドローンが落ち、火災が発生した」と報告した。

ウクライナ軍によると、直近24時間のロシア軍による攻撃は180回を超え、その大半がエネルギーインフラに対するものだったという。

空軍は声明で、「ミサイルは空と海から放たれ、イラン製神風ドローンも多数使用された」と述べている。

モナスティルスキー(Denys Monastyrsky)内相は30日、一連の攻撃で少なくとも3人が死亡、6人が負傷したと明らかにした。

一方、ロシア国営メディアは国防省の声明を引用し、「長距離高精度兵器を使った軍事拠点への大規模な攻撃は成功した」と伝えた。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は30日、ビデオ演説で攻撃を非難し、キーウ、南部オデーサとヘルソン州、西部リビウなどで停電が発生したと述べた。

またゼレンスキー氏は「防空システムがなければ、もっとひどいことになっていた」と強調した。

ロシア軍は9月中旬以降、イラン製ドローン「シャヘド136(Shahed-136)」を使用しているとみられる。イランは侵攻開始前にロシアにドローン数機を供与したと主張している。

ドローンには爆薬が搭載され、攻撃命令が出るまで標的の上空を旋回するよう設計されているようだ。

ウクライナ大統領府は29日の大規模ミサイル攻撃を「悪」と呼び、「ロシアは重要インフラを破壊し、民間人を虐殺しようとしている」と糾弾した。

ロシアは民間施設への攻撃を否定しているが、プーチン(Vladimir Putin)大統領は最近、エネルギーインフラを標的にしていることを認めた。

ゼレンスキー氏は西側の同盟国に防空システムを供与するよう求めており、米国は先週、広域防空用地対空ミサイルシステム「パトリオット」の供与を表明した。

2022年12月29日/ロシア、軍艦の就役式にオンラインで出席するプーチン大統領(Sergei-Bobylev/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)
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