◎ロシア軍は占領・併合した地域の子供約2万人をロシア領に連れ去ったと告発されている。
2023年4月3日/ウクライナ、東部ハルキウ州郊外、ウクライナ軍の攻撃ヘリ(Alex Babenko/AP通信)

ウクライナで子どもの人権委員を務めるミコラ・クレバ(Mykola Kuleba)氏は8日、ロシアに連れ去られたウクライナの子供31人を連れ戻したと発表した。

クレバ氏は首都キーウの記者会見で、「子供たちは8日中にキーウに到着する予定である」と語った。

クレバ氏は子供の救出を手掛けるNGO「セーブ・ウクライナ」の事務局長と、子供の権利に関する大統領特使を務めている。

ロシア軍は占領・併合した地域の子供約2万人をロシア領に連れ去ったと告発されている。

国際刑事裁判所(ICC)は先月、子供の違法連行をめぐる戦争犯罪の疑いでプーチン(Vladimir Putin)大統領とペロワ(Maria Lvova-Belova)大統領全権代表(子どもの権利担当)の逮捕状を発行した。

一方、赤十字国際委員会(ICRC)は今週、強制送還された子供と家族を再会させる取り組みの一環として、ベロワ氏と連絡を取ったと明らかにした。

ICRCの報道官はベロワ氏と連絡を取ったことについて、「分離された家族の再会および、実行可能な場合には再開を促すという赤十字の使命に沿ったものである」と述べている。

AP通信によると、ロシアでは連行したウクライナの子供をロシア人家族の養子に出すという取り組みが公然と行われているという。

ベロワ氏は今週開かれた国連安保理の非公開会合でこの問題が協議されたことについて、「子供たちは誘拐ではなく、命と安全を守るためにロシアに移動した」と主張した。

ロシアに連れ去られた子供の数を正確に把握することは難しく、ウクライナと西側の同盟国による捜査が続いている。

ウクライナのキスリツァ(Sergiy Kyslytsya)国連大使は5日、ツイッターに声明を投稿。「1万9500人以上の子供が家族や孤児院からロシアに強制連行された」と述べた。

スポンサーリンク