◎女はゼレンスキー氏のミコライフ州訪問に関する情報を集めようとしていた。
2023年5月23日/ウクライナ、東部ドネツク州の前線、兵士を激励するゼレンスキー大統領(Ukrainian Presidential Press Office/AP通信)

ウクライナ保安庁(SBU)がゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領暗殺計画に関与したとされるロシア人の女を逮捕した。SBUが7日、明らかにした。

それによると、この女はゼレンスキー氏が洪水に見舞われた南部ミコライウ州を6月に訪問した際、旅程を調べようとしたという。

SBUはロシアを支持する個人や団体がゼレンスキー氏を含む政府高官の情報や軍事施設の場所などをロシア側に流そうとしていると非難してきた。

ゼレンスキー氏は7日、定例のビデオ演説で、「SBUの責任者から裏切り者との戦いについて、新たな報告を受けた」と明らかにした。

ロシア政府は女の逮捕についてコメントしていない。

SBUは7日の声明で、「この女はロシア側に情報を渡そうとして現行犯逮捕された」と述べている。

それによると、女はゼレンスキー氏のミコライフ訪問に関する情報を集めようとしていたという。

SBUはこの女とされる人物とSBUの職員が一緒に写っている写真も公開。女と職員の顔にはぼかしが入っている。

ゼレンスキー氏は6月にミコライウを訪れ、カホフカ水力発電ダムの決壊で被災した地域を視察した。

SBUはこの訪問の前に暗殺計画を察知し、追加のセキュリティ対策を講じたとしている。

それによると、ロシアはミコライウへの大規模空爆を計画し、女はゼレンスキー氏が立ち寄る場所、電子機器や弾薬を保管する倉庫の場所などに関する情報をロシアに流そうとしていたという。

女はミコライウの小さな集落にある軍事基地内の売店で働いていた。SBUによると、ゼレンスキー氏は7月にこの基地を訪問していたという。

SBUはこの訪問時に女を逮捕せず、さらに泳がせた後、逮捕したようだ。

SBUは声明の中で、「女の行動とロシア側から受けた任務の詳細を把握するため、必要なセキュリティ対策を講じた後、女を追跡した」と述べている。

またSBUは「女はこの地域を頻繁に移動し、ウクライナの軍事施設の写真や動画を撮影した」としている。

女は軍隊に関する情報を無許可で撮影した罪などに問われる見込みだ。有罪が確定すれば、12年以下の懲役に処される可能性がある。

SBUはロシア軍の空爆を手助けしたとされるロシアの工作員を多数逮捕している。

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