◎サル痘の感染リスクはコロナウイルスに比べるとはるかに低いが、感染者の体液や飛沫に触れると感染する可能性がある。
2019年7月/イギリス、ロンドンで行われたプライド・パレード(Getty Images)

イギリスの公衆衛生当局は30日、今週末に予定されているLGBTQ+(性的少数者)のプライド・パレードについて、サル痘に感染した人および、それによく似た症状がみられる人に参加しないよう呼びかけた。

政府の医療顧問は声明の中で、異常な発疹、水疱、発熱などに注意し、感染が疑われる人は最寄りの医療機関に速やかに相談するよう呼びかけている。

保健当局によると、イングランドのサル痘感染者は確認されているだけで1000人を超えた。

その多くがロンドンで確認され、性行為で感染したという報告が多数寄せられている。

サル痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつで、1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。医療専門家によると、この重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。死亡率は5~10%。

サル痘の感染リスクはコロナウイルスに比べるとはるかに低いが、感染者の体液や飛沫に触れると感染する可能性がある。また、それに感染した動物の肉(ブッシュミート)をしっかり過熱せずに食べても感染する恐れがある。

サル痘はイギリスを含む数十カ国で感染が報告されており、その多くが欧州、特にイングランドで発生している。

政府の医療顧問はBBCニュースのインタビューの中で、「明確なメッセージが必要な時期に来ている」と述べ、プライド・パレードがさらなる感染拡大につながる可能性があると警告した。「発疹、水疱、発熱などの症状がみられる人は外出を控えてください...」

また医療顧問は、「サル痘は感染から発症までの潜伏期間が長いため、患者数は今後数週間増え続ける可能性が高い」と指摘した。「自分が感染していると気づかずに他者と接触し感染するケースが増えています...」

サル痘の潜伏期間はおおむね10日~14日である。

サル痘に感染した男性はBBCのインタビューの中で、「水疱が出る前に疲れと吐き気を感じ、身体が痛くなった」と説明している。

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