◎欧州のハブ空港であるヒースロー空港の警備員1400人以上が3月31日~4月9日にかけてストを行う予定だ。
2023年3月18日/イギリス、ロンドン中心部、賃上げを求める鉄道労働組合(Jeff Moore/PAメディア)

英ヒースロー空港の警備員労組は18日、イースター休暇(復活祭)中に10日間のストライキを決行すると発表した。

ロンドンに本部を置く最大労組ユナイト(Unite)によると、欧州のハブ空港であるヒースロー空港の警備員1400人以上が3月31日~4月9日にかけてストを行う予定だという。

ストに参加するのは航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が独占的に使用する5番ターミナルの警備員と、同空港に入るすべての貨物をチェックする職員。

ストは国内の多くの市民が旅行する時期と重なる。

ユナイトは数百万人がインフレの影響を強く受け、食事の回数を減らしたり、子供の学費を払えなくなったりしていると警告している。

ヒースロー空港は労組に10%の賃上げを提示しているが、労組は「それだけでは不十分」とし、経営体制の見直しなどを要求している。

ユナイトの書記長は18日、「ヒースローを守っている組合員は貧困にあえいでいるが、CEOや上級管理職は巨額の報酬を得ている」とSNSに投稿した。「彼らは誰が空港を守っているか理解していません」

イギリスの消費者物価指数(CPI)は昨年急騰し、10月には前年同月比で11.1%上昇したが、1月は10.1%まで低下した。これは40年ぶりの高水準である。

ヒースロー空港の経営陣は18日の声明で、「同港は体制を維持する緊急対応策を持っている」と述べ、労組をけん制した。「休暇を台無しにするストは容認できず、脅しても交渉は進展しません」

英国内ではこの数カ月、数万人の教師、医師、医療従事者、電車やバスの運転手、公務員が賃上げを要求して大規模なデモやストを行っている。

看護師や救急隊員などが加盟する労組は今週、政府が提示した条件を受け入れた。公立病院の混乱はまもなく収まると期待されているが、その他の産業のストはしばらく続く可能性が高い。

18日には鉄道労組の組合員数千人がストを行った。BBCによると、この影響でイングランド全土の鉄道サービスのおよそ半分が麻痺したという。

運輸部門を統括する労組と政府は昨年夏から賃上げ交渉を続けている。鉄道労組は3月30日~4月1日にもストを計画している。

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