◎フェリックストウ港の労組は賃上げと労働環境の改善を求めている。
2022年8月19日/イギリス、ロンドン中心部のバス乗り場、スト中のロンドンバス(Frank Augstein/AP通信)

イギリス最大のコンテナ港で働く組合員約2000人が20日、賃金問題を理由に8日間のストライキを開始した。

東部フェリックストウ港の労組は賃上げと労働環境の改善を求めている。

イギリス経済はEU離脱による労働者の減少、ロシアのウクライナ侵攻による食料・燃料価格の高騰、そして進行中のストに見舞われ、下降線をたどっている。

鉄道労組も20日にストを決行し、イングランドの運行本数は従来の5分の1に減少。終日運休となる地域もある。このストは21日まで続く予定で、一部の労組幹部はさらなるストを示唆している。

ロンドンの地下鉄労組は19日に24時間ストを決行し、ほとんどの路線が不通となった。

港湾労組はフェリックスストウ港の運営会社CKハチソン・ホールディング社が組合員に適正な賃金を支払わず、利益を優先させたと非難している。

一方、会社側は「労組が建設的な話し合いを拒否した」と非難している。

フェリックスストウ港は対米貿易の拠点であり、ストはこの港に入港したい欧米コンテナ船を他の港に迂回させることを意味する。

イギリスがこの40年で最悪のインフレに直面する中、ストを計画する組合はますます増えている。

イギリスの先月のインフレ率は10.1%に達した。イングランド銀行(BOE)のアナリストは「景気後退は避けられず、今年後半のインフレ率は13%まで上昇する可能性がある」と予想している。

賃金はインフレに追い付かず、多くの低中所得者層がエネルギーや食料の価格高騰に対処できず苦労している。

郵便、弁護士、ブリティッシュ・テレコム、ゴミ収集業者も今月末にストを行う予定だ。

鉄道労組はコロナの大流行と通勤パターンの変化により収入の大部分を失った鉄道システムを改革しようとする会社に対し、賃上げと労働条件の改善を要求している。

2022年8月20日/イギリス、ロンドン南部ワンズワースの駅構内(Kirsty O'Connor/PAメディア)
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