◎フェリックストウ港の労働組合は賃上げと労働環境の改善を会社に求めている。
2022年8月21日/イギリス、東部フェリックストウ港の入り口、組合員たち(Joe Giddens/PAメディア)

イギリス最大のコンテナ港で21日、賃上げを要求するストライキがスタートした。

対米貿易の拠点である東部フェリックストウ港の労働組合は賃上げと労働環境の改善を会社に求めている。

BBCニュースによると、ストは8日間続く予定で、組合員約2000人が職場を離れたという。

専門家はサプライチェーンの混乱に拍車がかかる可能性があると警告している。同港はイギリスの貨物輸送のほぼ半分、年間約400万個のコンテナを扱っている。

ストを主催する労働組合ユナイトの書記長グラハム(Sharon Graham)氏はAP通信の取材に対し、「莫大な利益を生む港を運営するCKハチソン・ホールディング社は労働者の福祉より株主の利益を優先している」と訴えた。

フェリックストウの労働者は権利を行使することができます。会社は組合員の力なくして利益を上げることはできないと理解すべきです。しかし、役員たちは組合員より株主を優先しています...」

フェリックスストウ港は声明で、「ストがイギリスのサプライチェーンに影響を与えることは避けられず、大変遺憾に思う」と述べた。

報道によると、ユナイトは会社に今年度の給与の8%以上に相当する賃上げを「命じた」という。

イギリス経済がこの40年で最悪のインフレに直面する中、ストを計画する組合はますます増えている。

イギリスの先月のインフレ率は10.1%に達した。イングランド銀行(BOE)は「景気後退は避けられず、今年後半のインフレ率は13%まで上昇する可能性がある」と予想している。

インフレにもかかわらず賃金は据え置かれ、人口の大多数を占める低中所得者層が食料や燃料価格の高騰に対処できず、苦しんでいる。

鉄道・地下鉄の労組も今週、会社に要求を拒否されたとしてストを決行した。20日の鉄道ストでは全国の運行本数が5分の1以下となった。

19日のロンドン地下鉄ストも大混乱を引き起こし、多くの労働者や観光客がバス乗り場に殺到した。郵便、弁護士、ブリティッシュ・テレコム、ゴミ収集業者も今月末にストを行う予定だ。

2022年8月21日/イギリス、東部フェリックストウ港(Joe Giddens/PAメディア)
スポンサーリンク