◎億万長者の石油王ユージン・シュビドラーが所有する2機のジェット機は3週間前からファーンボロー空港とロンドン・ビギンヒル空港で調査を受けていた。
西側諸国の経済制裁に直面したロシアのロマン・アブラモヴィッチ(左)とユージン・シュビドラー(Getty Images/PAメディア/AFP通信)

イギリス政府は26日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とつながりの深いオリガルヒが所有するプライベートジェットを無期限拘束したと明らかにした。

BBCニュースによると、億万長者の石油王ユージン・シュビドラーが所有する2機のジェット機は3週間前からファーンボロー空港とロンドン・ビギンヒル空港で調査を受けていた。

シャップス運輸相は26日、「ウクライナで罪のない人々が死んでいる中、プーチンの友人は贅沢を楽しむべきではない」と述べた。

シュビドラーはチェルシーFCのオーナーであるロマン・アブラモビッチとの関係で制裁を受けた。

英政府は、「シュビドラーはアブラモビッチの鉄鋼大手エブラズ・グループの元取締役兼株主であり、ロシア政府から利益を得たり支援したりしているアブラモビッチと関係がある」と述べている。

英政府によると、シュビドラーの純資産は推定12億ポンド(約1,900億円)ほどで、今回没収したジェット機の価値は推定4,500万ポンド(約72億円)と見積もられているという。

シャップス運輸相は声明の中で、「数千万ポンドに相当するロシアのプライベートジェットを拘束するという今回の措置は、プーチンの取り巻きから豪華なおもちゃを奪うために英政府があらゆる手段を講じることを示すものである」と述べた。

BBCニュースによると、英政府はロシア企業ヘリコ・グループが所有するプライベート・ヘリコプターも「手に入れた」とのこと。

ロシアのウクライナ侵攻に反対する西側諸国は、ロシア経済を麻痺させ、富を独占する一部の大富豪に厳しい制裁を科した。

英政府はロシア人が所有、運営、またはチャーターした飛行機(プライベートジェット機を含む)の英領空内での飛行または侵入を取り締まっている。

ロシア軍の侵略は行き詰まっていると考えられているが、東部の要衝マリウポリを含む一部地域では激しい戦闘が続いている。

ロシア軍は25日、ウクライナでの特別軍事作戦の第一段階が終了し、今後は東部ドンバス地方に焦点を絞ると述べ、作戦の縮小を示唆した。

ロシアはウクライナにドンバス地方のルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の独立および、2014年のクリミア併合を認めるよう迫っているが、ウクライナはこの要求を拒否すると誓っている。

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