英仏政府が移民送還計画で合意、ドーバー海峡渡る移民急増

今年イギリスに到着した移民は2万1000人を超え、昨年同時期から56%も増加している。
2025年7月10日/イギリス、ロンドン、スターマー首相(左)とマクロン仏大統領(AP通信)

イギリスとフランス両政府は10日、英仏海峡を渡った移民の一部をフランスに送還する計画で合意した。

イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相とフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領はロンドンでこの合意を発表。イギリスに押し寄せる移民が急増する中、フランスにその一部を送還することとなった。

イギリスの移民当局は不法入国した移民をフランスに送還できることを「大きな前進」と歓迎している。

この合意に基づき、イギリスはボートでドーバー海峡を渡ってきた移民の一部をフランスに送還する一方、イギリスでの難民申請が正当であると判断された同数の移民を受け入れることになる。

イギリスで反移民を公約に掲げる新興右派政党「リフォームUK」は過去数カ月で支持率を一気に伸ばし、スターマー政権に圧力をかけている。

不法入国した移民をルワンダに送還するという前政権の計画を破棄したスターマー氏は人身売買組織を摘発し、そのビジネスモデルを破壊することで、移民問題をコントロールするとしてきた。

しかし、今年イギリスに到着した移民は2万1000人を超え、昨年同時期から56%も増加している。

スターマー氏は記者会見で、この合意を「ワン・イン・ワン・アウト」と呼び、移民に危険なドーバー海峡横断を思いとどまらせることを期待していると述べた。

合意に伴うフランスへの送還は数週間後に始まる予定だ。

イギリス内務省の統計によると、24年に小型船でイギリスに到着した移民は3万6816人で、前年から25%増加。最も多かったのは22年の4万5774人である。

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