▽ロシアを敬愛する元プロサッカー選手のカベラシビリ氏は29日に就任する予定だ。
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ジョージアの首都トビリシで28日、政府与党に抗議するデモが行われ、数千人が新大統領の就任を認めないとシュプレヒコールを上げた。
ロシアを敬愛する元プロサッカー選手のカベラシビリ(Mikheil Kavelashvili)氏は29日に就任する予定だ。
しかし、現職のズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は「偽物の政府」が選出した大統領は認めと主張し、退陣を拒否している。
与党「ジョージアの夢」は10月末の議会選で過半数を獲得。野党とズラビシュヴィリ氏は政府がロシアの協力を得て票を操作したと主張し、国会をボイコットしている。
主要4野党はカベラシビリ氏を「ロシアの傀儡」「プーチンの子分」と呼んでいる。
この対立がどのように解決されるかはまだ不明である。
トビリシの中心部に集まった人々はジョージアとEUの国旗を掲げながら数キロに渡って市内を行進した。
AP通信の取材に応じた女性は「ジョージアのロシア併合を画策する恐ろしい勢力に立ち向かうために、デモに参加した」と語った。
ジョージアの夢は2008年の南オセチア紛争でロシアになぶり殺しにされたにもかかわらず、ロシアとの関係をリセットしたいと主張している。
ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
ジョージアの夢は近年ますます権威主義的になっており、物議を醸す反スパイ法を法制化したり、LGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法」を成立させた。
ウクライナ侵攻後、ジョージアの夢は西側諸国の対ロシア制裁への参加を拒否し、西側を「グローバル・ウォー・パーティー」と呼び、EUとNATO加盟という公約を嘲笑した。
ジョージアはEU加盟への道を支持しており、それは憲法の一部にもなっている。
しかし、ジョージアの夢は先月、欧州議会がジョージアの議会選を「自由でも公正でもない」と非難する決議を採択したことを受け、EU加盟交渉を2028年まで凍結した。
米政府は今週、ジョージアの夢の創設者であるイヴァニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)元首相を制裁リストに追加した。