◎バルト3国は現在、ロシアとの電力取引を停止しているが、送電網はつながったままである。
2023年2月19日/ドイツ、ミュンヘン安全保障会議会場、エストニアのカラス首相(Petr David Josek/AP通信)

バルト3国の首脳がロシアの送電網を2025年2月までに完全撤去することで合意した。現地メディアが3日に報じた。

それによると、エストニア、ラトビア、リトアニアの首脳は共同声明の中で、「技術的な準備が整い次第、ロシアと3カ国を結ぶ電力系統を完全に撤去する」と述べている。

また3首脳は「ロシアによるいわれのないウクライナ侵攻の結果生じた地政学的状況の変化は、この地域のエネルギー安全保障を著しく悪化させ、ロシアのエナジーグリッド攻撃のリスクを高めている」とした。

バルト3国は現在、ロシアとの電力取引を停止しているが、送電網はつながったままである。

エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドは2019年、EUの執行機関である欧州委員会と2025年末までにEU送電網に接続することで合意した。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻により、3カ国はこの計画は加速させるよう提案。電力会社などと連携して準備を進めてきた。

リトアニアはロシアの信頼性の低さとウクライナへの侵略を理由に、2024年初頭までにエネルギー取引(天然ガス含む)を完全に断ち切るよう求めていた。

一方、エストニア政府は送電線撤去に必要な人員や技術的能力が不足しており、移行を急ぎ過ぎると停電が発生する恐れがあるとして、2024年初頭までの完全撤去に反対していた。

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