◎最初の暴動は南部マルメで17日の夜に発生し、コーラン焼却に反対する群衆が車、タイヤ、ゴミ箱などに火をつけた。
2022年4月17日/スウェーデン、南部マルメの市街地(Johan Nilsson/TT News Agency/AP通信)

スウェーデン政府は20日、極右が開催したコーランを燃やす反イスラム集会について、外国勢力が関与した可能性があるという見方を示した。

極右政党ハードライン(デンマーク語でStram Kurs)の指導者であるデンマーク系スウェーデン人のラスマス・パルダンとその支持者たちはスウェーデンの各地でイスラム教の聖典コーランを燃やしたり、イスラム教徒を嘲笑したりする集会を開催し、イスラム教徒の怒りに火をつけた。

一部の専門家はパルダンのコーラン焼却について、「何らかの理由でスウェーデンを憎み、スウェーデンに危害を加えようとしているように見える」と指摘している。

スウェーデンのヨハンソン法相は20日、全国紙アフトンブラーデットのインタビューの中で「理解できない」と語った。

ヨハンソン法相は、「パルダンとつながりのある社会福祉団体がイスラム教徒の子供を誘拐している」というSNSで広まった噂についても言及した。

外務省は2月、ツイッターで拡散したこの噂を「根拠のない偽情報」に分類し、ユーザーに情報を信じないよう警告した。

またこの噂に対処するために設置された特別チームによると、誘拐疑惑を拡散したユーザーを追跡した結果、イスラム国(ISIS)を支持するアラビア語のサイトに行き着いたという。

全国紙アフトンブラーデットはヨハンソン法相のコメントを引用し、「中東の組織が暴動とイスラム教徒の怒りをあおった可能性がある」と報じた。

イランとUAE(アラブ首長国連邦)はパルダンのコーラン焼却集会が行われたことを受け、スウェーデンの外交官を呼び出し、厳重に抗議した。

この暴動により警察官26人、その他14人が負傷、数十人が逮捕され、警察車両少なくとも20台が被害を受けた。

最初の暴動は南部マルメで17日の夜に発生し、コーラン焼却に反対する群衆が車、タイヤ、ゴミ箱などに火をつけた。

他の都市でも暴力的な衝突が報告された。東部ノルヒェーピングでは警察が暴徒化した群衆に向け威嚇射撃し、跳弾で3人が負傷した。

アンデション首相は20日、東部ノルヒェーピングとリンシェーピングを訪問し、暴動に懸念を表明した。

極右政党ハードラインによるコーラン焼却集会は2020年にも問題になり、スウェーデンで暴力事件に発展した。同年、パルダンはデンマークで人種差別などの罪で起訴、有罪判決を受け、1カ月服役した。

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