スロバキア首相暗殺未遂事件の初公判、72歳被告が罪認める
フィツォ首相は24年5月、中部ハンドロバの市庁舎前で腹部を撃たれ、緊急搬送された。
.jpg)
スロバキアのフィツォ(Robert Fico)首相暗殺未遂事件の容疑者が8日、中部バンスカービストリツァの裁判所に出廷した。
フィツォ氏は24年5月、中部ハンドロバの市庁舎前で腹部を撃たれ、緊急搬送された。
警察はユライ・チントゥラ(Juraj Cintula、72歳)を現行犯逮捕した。
容疑者は殺人未遂で逮捕・起訴され、その後、テロ容疑で追起訴された。
現地メディアによると、被告は裁判所に入る際、「民主主義万歳、自由文化万歳」と叫んだという。
有罪が確定すれば終身刑に処される可能性がある。
フィツォ氏は腹部に銃弾を受け、バンスカービストリツァの病院に緊急搬送された。
その後、5時間に及ぶ手術を受け、2日後にも2時間の手術を受けた。現在は回復している。
現地メディアによると、被告は証言を拒否したものの、捜査官に語った動機が真実であることを認めたという。
被告はフィツォ政権の政策に同意できず、行動を起こすことにしたと供述。特別検察庁の廃止やウクライナへの軍事支援の停止などに反対していた。
また被告はフィツォ氏を殺害するつもりはなく、ケガをさせて健康を損ないたかったと主張。胴体下部を狙ったとしている。
与党・スメルは23年9月の議会選(一院制、定数150)で第一党に躍進し、フィツォ氏を党首とする連立政権が発足した。
フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を取っている。
フィツォ氏は復帰後、「一人の狂った人物による攻撃であると信じる理由はない」と述べ、「野党、リベラル派、メディアが政権を繰り返し誹謗中傷したことが暗殺未遂につながった」と主張していた。