◎スペインを揺るがした2017年のカタルーニャ独立運動は失敗に終わり、12人の指導者のうち9人が実刑判決を受けた。
2021年6月21日/スペイン、バルセロナのリセウ大劇場、ペドロ・サンチェス首相(AP通信/Emilio Morenatti)

スペインのペドロ・サンチェス首相は21日、内閣は2017年のカタルーニャ独立運動を主導し投獄された9人の分離主義者に恩赦を与えると発表した。

サンチェス首相は独立運動の舞台の中心、州都バルセロナのリセウ大劇場で演説を行った。劇場には市民社会の代表者数百人が集まった。

スペインを揺るがした独立の試みは失敗に終わり、12人の指導者のうち9人が扇動罪で実刑判決を受け、残り3人も不服従の罪で有罪判決を受けたが、投獄は免れた。

サンチェス首相によると、内閣は22日に恩赦を承認するという。

分離主義者に恩赦を与えるという政府の計画は広範な怒りを引き起こし、首都マドリードなどで数千人規模の抗議活動が開催されたが、政府は「恩赦はカタルーニャをめぐる緊張を和らげる」と主張した。

しかし、反対派の市民や一部の野党政治家は、「政府はカタルーニャの政治的支援を得るために恩赦を利用した」と強く反発している。

サンチェス首相は演説の中で、「9人を刑務所から解放することで何百万もの人々が和解し、共存への道が開かれます」と述べた。「これはスペイン全土の未来のためのプロジェクトです。明日、憲法に基づき、恩赦の承認を提案します」

エル・ムンド紙が行った最新の世論調査によると、回答者の約61%が恩赦に反対したという。決定に反対する抗議活動は全国各地に広がっている。

最高裁判所は先月、「法的拘束力はないが、裁判所は恩赦に反対する」と書簡の中で述べた。

一方、独立推進派も抗議活動を展開した。リセウ大劇場の近くに集まった抗議者たちは、「政府は指導者に完全な恩赦を与えなければならない」と叫んだ。推進派は指導者の逮捕を違法と見なしており、恩赦ではなく罪自体を完全に取り消し、謝罪しなければならないと主張している。

投獄された分離主義者の中で最高位の政治家だったオリオール・ジュンケラス受刑者はカタルーニャラジオの取材に対し、「恩赦は州の弱さを示している」と述べた。「州は2017年にとった虐待的な行動から身を守ろうとしています...」

地元メディアは、「カタルーニャの強力なカトリック教会と主要な業界団体は政府の計画を支持したが、最高裁判所や一部の野党は反対し、サンチェス首相の未来のためのプロジェクトは国家の分裂を招いた」と報じた。

サンチェス首相は、9人が受けた懲役9年~13年の実刑判決の全てを赦すかどうかは明らかにしなかった。恩赦を確定させるためには、内閣通過後、フェリペ6世の承認を得る必要がある。

裕福なカタルーニャ州の離脱をめぐる緊張は、景気後退による経済的困難と保守的な政府の自治権の拡大に対する不満の中、約10年前に本格的に高まった。

サンチェス首相とカタルーニャ州のペレ・アラゴネス州首相は今月末に会談する予定。サンチェス首相は独立の是非を問う住民投票は許可されず、「大きな自治はカタルーニャ人を喜ばせるだろう」と述べた。

2021年6月21日/スペイン、バルセロナのリセウ大劇場近く、カタルーニャ独立運動の旗を掲げる抗議者(AP通信/Joan Mateu)
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