◎野党議員や人権活動家はこの改正案を「マフィアのやり方」と呼んでいる。
スロバキア、首都ブラチスラバ、フィツォ首相(Darko Bandic/AP通信)

スロバキア全土でフィツォ(Robert Fico)首相の刑法改正案に抗議するデモ集会が開かれ、数千人が参加した。

デモ隊は国家安全保障にかかわる重大犯罪などを扱う特別検察庁を廃止し、その権限を地方検察庁に移管するという法案の条文に抗議し、フィツォ政権に退陣を求めた。

地元メディアによると、地検は少なくとも20年間、このような重大事案を取り扱ったことがないという。

野党議員や人権活動家はこの改正案を「マフィアのやり方」と呼び、汚職を隠蔽したい政治家に恩恵を与えてると非難している。

この法案に拒否権を行使すると表明したチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「スロバキア国民は正義を守るということを世界に示さなければならない」と訴えた。

デモ隊は「フィツォ、辞めろ」「もうたくさんだ」などとシュプレヒコールをあげた。

フィツォ氏の3党連立政権は国会で過半数を占めており、チャプトバ氏が法案の署名を拒否しても単純過半数で覆すことができる。

フィツォ氏の政党スメルは9月末の議会選(一院制、定数150)で第1党に躍進。10月25日に3党連立内閣を発足させた。

スポンサーリンク