◎連邦議会は昨年末、数カ月に及ぶ政治闘争の末、ヘゲル(Eduard Heger)首相の不信任決議案を可決した。
スロバキアのチャプトバ大統領(Getty Images)

スロバキアで21日、内閣不信任決議案が可決された場合に「与党が議会を解散しなくても議会選を可能にする」憲法改正案の是非を問う国民投票が行われた。

野党3党は昨年、40万人近くの署名を集めて憲法改正を要求。チャプトバ(Zuzana Caputova)大統領はこれに応じ、改正案の是非を国民に委ねることとした。

連邦議会は昨年末、数カ月に及ぶ政治闘争の末、ヘゲル(Eduard Heger)首相の不信任決議案を可決した。

チャプトバ氏はこれを受け、ヘゲル氏に暫定政権を発足させるよう要請。さらに、野党の要求に基づき、与党が議会を解散しなくても議会選を可能にする憲法改正案を1月末までにまとめるよう求めた。

スロバキアの内閣不信任決議は内閣に総辞職を強制するが、与党は議会を解散させず新内閣を発足させることができる。

チャプトバ氏は今週、「議会選は今年前半に行うべきだが、9月でも構わない」と述べた。野党は不信任決議が可決された以上、与党は速やかに議会を解散すべきと指摘している。

議会の任期は2024年2月。最新の世論調査によると、ヘゲル氏の右派勢力は支持率を大きく落としており、野党に敗れる可能性が高い。

一方、憲法裁判所は昨年11月、野党が提案した「ヘゲル内閣に総辞職を求める国民投票」は憲法に違反していると裁定した。

ヘゲル氏は野党の提案について、「意味のない国民投票を行うつもりはない」と批判していた。

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