◎集会にはチャプトバ大統領、野党議員、地元メディアのジャーナリスト、欧州委員会の高官なども参加した。
2024年3月15日/スロバキア、首都プラチスラバ、政府与党の公共放送見直し計画に抗議する集会(AP通信)

スロバキアの首都プラチスラバで政府与党による公共放送見直し計画に抗議する集会が開かれ、数千人が参加した。

集会にはチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領、野党議員、地元メディアのジャーナリスト、欧州委員会の高官なども参加。フィツォ(Robert Fico)首相が表現の自由を破壊し、公共放送RTVSを「政府のプロパガンダ発信機」に変えようとしていると批判した。

集会を主催した野党連合はこの計画によってRTVSがフィツォ政権に都合の良い情報ばかり報じるようになったり、ロシアによるウクライナ侵攻を無視するようになると主張している。

チャプトバ氏はSNSに声明を投稿。「公共放送を国の直接管理下に置くなどあってはならず、RTVSが政府のプロパガンダを垂れ流すラッパになってしまう」と警鐘を鳴らした。

政府与党が起草した改正案によると、RTVSは新しい組織に生まれ変わる。その最終決裁権を持つ評議会の委員7人は政府が選出する。

評議会は番組ディレクターを選出し、理由を示さずに解任できる。

欧州放送連合(EBU)の事務局長は声明で、「これはスロバキアの公共放送を国営テレビ局に変えようとする薄っぺらな試みであり、民主主義と表現の自由を危険にさらす」と非難した。

またEBUはこの計画がメディアの独立性を強化するという昨年のEU法の支配に関する報告書の勧告に真っ向から反すると述べた。

RTVSの理事長もこの計画を「権力剥奪」と呼んでいる。「この計画の目的はただひとつ。独立した公共放送を政府の管理下に置き、情報統制を敷くことだ」

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