◎フィツォ政権の閣僚を含む多くの与党議員が複数の汚職スキャンデルで起訴されている。
スロバキアのチャプトバ大統領(Getty Images/AFP通信)

スロバキアチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は16日、憲法裁判所にフィツォ政権の刑法改正案を凍結するよう要請したと明らかにした。

この改正案は2月8日に国会を通過し、チャプトバ氏の署名で成立する。

フィツォ(Robert Fico)首相率いる連立与党は国家安全保障にかかわる重大犯罪などを扱う特別検察庁を廃止し、その権限を地方検察庁に移管したいと考えている。

地検は少なくとも20年以上、そのような事件を扱っていない。

その他の変更には執行猶予付き刑の導入、汚職やその他犯罪に対する刑罰の軽減、時効の大幅な短縮などが含まれる。

フィツォ政権の閣僚を含む多くの与党議員が複数の汚職スキャンデルで起訴されている。

チャプトバ氏が法案への署名を拒否しても、国会は過半数の賛成(国会の優越)でそれを覆すことができる。

チャプトバ氏は記者会見で「憲法裁判所に異議を申し立て、判決が確定するまで改正案を凍結するよう要請した」と明らかにした。

憲法裁判所はこの申し出に関するコメントを出していない。

この改正案は国内外で批判にさらされている。

首都プラチスラバでは2カ月以上前から抗議デモが続いており、数万人が国会や首相府周辺でシュプレヒコールを上げている。

デモはプラチスラバから30以上の市や町に拡大。海外在住のスロバキア人もワシントンD.C.やブリュッセルなどで集会を開いた。

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