◎解散総選挙を間近に控えたスロバキアはひどく分裂しているよう見える。
スロバキアのチャプトバ大統領(Televízia Markíza)

スロバキアの警察・諜報機関の関係者が権力乱用と共同謀議で告発された。国家警察が17日、明らかにした。

それによると、諜報機関の局長および元局長、その他警察・諜報機関職員5人が訴追される見通し。さらに国家安全保障局の局長ら2人も職権乱用の罪に問われるという。

国家警察の報道官は声明で、「この7人はピーター・Kと名乗る実業家が率いる犯罪グループと共謀し、フィツォ(Robert Fico)元首相の時代に行われた汚職事件の捜査を妨害した」と述べている。

また報道官は「この捜査を妨害した国家警察の捜査員4人が拘束された」と明らかにした。

国家安全保障局の局長らは機密情報へのアクセスを許可する免許を発行する保安当局職員を排除しようとした罪に問われている。

解散総選挙を間近に控えたスロバキアはひどく分裂しているよう見える。

政権復帰を望むフィツォ氏は警察を「馬鹿げた組織」と呼び、チャプトバ(Zuzana Caputova)大統領らを非難している。

フィツォ氏の左派政党に反対する勢力は「警察と諜報機関の膿を出し切るべき」と指摘している。

フィツォ氏は17日、この動きを「警察のクーデター」と呼び、臨時国会を開くよう要請した。

チャプトバ氏は18日に暫定政権の閣僚らと会談し、この問題について協議する予定だ。

国会(一院制、定数150)は6月、オドル政権の信任投票を賛成34ー反対43で否決。これにより、オドル政権は発足からわずか1カ月で解任されることになった。

解散総は9月30日に行われる予定だ。

フィツォ氏は2020年の総選挙で敗れ、反汚職を公約に掲げる政党による連立政権が誕生した。

それ以来、多くの政府高官、警察官、裁判官、検察官、実業家が汚職などで訴追されている。

ヘゲル(Eduard Heger)元首相は17日、「国家警察は素晴らしい仕事をしている」とツイートした。

ヘゲル氏は昨年末に不信任決議で退陣。それ以来、どの政権も発足から30日以内に行われる信任投票で不信任を突きつけられてきた。

フィツォ氏はウクライナへの軍事支援に反対を表明している。最新の世論調査によると、フィツォ氏の左派政党は第一党に返り咲く可能性があるという。

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