◎モンテネグロは非常に保守的な男性優位国家であり、最初のプライドパレードは暴力に彩られたものであった。
2022年10月8日/モンテネグロ、首都ポドゴリツァで行われたLGBTQプライドパレード(Risto Bozovic/AP通信)

モンテネグロの首都ポドゴリツァで8日、LGBTQ+(性的少数者)プライドパレードが行われ、数百人が参加した。

主催者によると、ポドゴリツァでプライドパレードを行うのは今年で10回目。

同国では保守的なセルビア正教会の影響でLGBTQ+への理解が進んでおらず、一部地域では同性愛者に対する差別、嫌がらせ、ヘイトスピーチが多発している。

パレードに参加した活動家の男性はAP通信の取材に対し、「私たちは生身の人間であり、願いや夢を持っている」と語った。

モンテネグロは非常に保守的な男性優位国家であり、最初のプライドパレードは暴力に彩られたものであった。

しかし、EU加盟を目指す同国は近年、プライドイベントを支援し、2020年には同性パートナーシップを承認している。

このパレードの前夜、セルビア正教会は伝統的価値観と家族を危うくするとし、プライドパレードに反対する祈りの抗議デモを行った。

セルビア正教会はセルビアで先月開催されたプライドイベントでも同様の集会を開催している。

モンテネグロの西欧よりの政治家はセルビアとその教会が保守派と結託し、モンテネグロを西側から遠ざけようとしていると非難してきた。

パレードに参加した女性はAP通信に、「正教会と他の保守的な勢力がLGBTQコミュニティに対する憎悪を煽っている」と非難した。

別の活動家は正教会のデモについて、「モンテネグロが分裂していることを物語っている」と述べた。

セルビア正教会は2020年のモンテネグロ議会選で親セルビア政党を支援し、親欧米政権に勝利した。

親欧米政権は2017年、ロシアの反対を押し切りNATOに加盟した。

2022年10月8日/モンテネグロ、首都ポドゴリツァで行われたLGBTQプライドパレード(Risto Bozovic/AP通信)
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