◎地元の選挙監視団は近隣諸国の有権者がベオグラード市議会選に投票するためにバスで現地入りしたと指摘している。
2023年12月17日/セルビア、首都ベオグラード、ガッツポーズするブチッチ大統領(ロイター通信)

セルビア・ベオグラードの選挙管理当局は3日、昨年12月に行われた市議会選を今年後半に再実施すると発表した。

ベオグラードではこの市議会選を含む総選挙でブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領の与党・セルビア進歩党(SNS)が票を操作したと非難する抗議デモが続いている。

SNSは国民議会選(一院制、定数250)で勝利。地方議会選でも野党を圧倒した。

しかし、野党はベオグラード市議会選を含む複数の地方選で票が操作されたと主張。支持者に抗議デモを呼びかけ、一部が暴徒化した。

ベオグラード市議会選の新たな投票日は明らかにされていない。

ブチッチ氏とSNS議員は不正行為を否定し、「西側の支援を受ける勢力がセルビアを不安定化させようとしている」と非難してきた。

しかし、欧州安全保障協力機構(OSCE)の選挙監視団は今週公表したレポートで「12月の選挙は不公正な条件で行われた」という見方を示した。

それによると、野党候補やその支持者は政府与党の支配下に置かれる国営メディアの批判、偏向報道、公務員への圧力や嫌がらせなどにより、不利益を被ったという。

ある野党候補は公的資金を不正使用したと報じられ、落選。これが事実か否かは不明であり、警察が捜査しているという情報はいつの間にか報じられなくなった。

地元の選挙監視団は近隣諸国の有権者がベオグラード市議会選に投票するためにバスで現地入りしたと指摘。ある野党議員はブチッチ政権の支持者が偽の住所を何度も申請し、数十回投票したと主張している。

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