◎このデモは先月発生した2件の銃乱射事件後(18人死亡、20人負傷)に始まった。
2023年6月17日/セルビア、首都ベオグラードの高速道路、ブチッチ政権に抗議するデモ(Milos Miskov/AP通信)

セルビアの首都ベオグラードで17日、ポピュリストのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。

デモの主催者はSNSで情報を拡散。他の都市でも数百人規模のデモ行進や集会が開かれたという。

ベオグラードのデモ隊は市中心部の高速道路を占拠し、ブチッチ氏の辞任を求めるスローガンを唱えた。

ブチッチ氏はデモ隊を「とんでもない左翼」と呼び、辞任要求を拒否している。

このデモは先月発生した2件の銃乱射事件後(18人死亡、20人負傷)に始まった。

デモ隊は内相と治安当局トップの辞任も要求している。

さらに、暴力的な内容のテレビ番組や戦争犯罪者を美化する親政府系メディア・タブロイド紙の免許剥奪も求めている。

デモを主催する団体は10万人以上の死者を出した1990年代のユーゴスラビア内戦以来、国営メディアが暴力を肯定するテレビ番組などを垂れ流し続けた結果、犯罪が急増したと主張している。

ユーゴの崩壊時に深く関与した超国家主義者のブチッチ氏は現在、セルビアのEU加盟を目指している。

しかし、EUの執行機関である欧州委員会はコソボ問題を含む民主主義を脅威にさらす様々な問題に対処しない限り、加盟は難しいと示唆している。

ブチッチ氏は17日、デモ隊の要求を却下し、主催者を「ハイエナ」と呼んだ。

デモを主催する団体の広報担当はフェイスブックに声明を投稿。要求が受け入れられるまで抗議し続けると誓い、セルビア全土の道路や政府機関の占拠を計画していると警告した。

広報担当はこう書いている。「ブチッチが行動しなければ、セルビアは止まる。毒は一掃しなければならない」

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