◎アンモニアガスは腐食性と発熱性が高く、眼、皮膚、口腔や気道の粘膜に損傷(重度の刺激症状と熱傷)を引き起こす可能性がある。
2022年12月26日/セルビア、南東部の町ピロト、アンモニア流出現場近く(Getty Images)

セルビア当局は26日、南東部の主要都市ピロトでアンモニアを積んだ貨物列車が脱線、アンモニアガスが流出した事故について、市内の学校や公共機関の封鎖を維持すると発表した。

貨物列車はブルガリアに通じる主要幹線道路の近くで25日午後に脱線し、アンモニアガスが大気中に放出された。

ピロトの自治体は非常事態を宣言し、事故現場周辺の住民に家から出ないよう勧告している。

当局によると、事故の原因は調査中。周辺地域に出した封鎖令を維持し、二次災害防止に当たるとしている。

当局は技術的なトラブルが脱線つながったという見方を示している。また当局は危険物の輸送に関する規則が守られていたかも調査するとした。

地元メディアによると、現場から数キロ離れた地点で大気の濃度を測定した結果、アンモニアガスは検出されなかったという。

しかし、当局は現場近くの住民に安全が確認されるまで屋内にとどまるよう求め、公共施設も閉鎖を維持するとした。

国営テレビは関係者の話を引用し、「50人以上が目やのどの痛みを訴え、ピロトの医療機関で治療を受けた」と報じている。

負傷者の中には外国籍の人や子供も含まれていたという。

また国営テレビは高齢の患者1人が医療機関で死亡し、脱線事故現場付近でも男性の遺体が発見されたと報じた。2人の死因はまだ特定されていない。

当局は地元住民に水道水を飲まないよう勧告している。

貨物列車はブルガリアにつながる線路を走っていた。21両編成で、そのうち4両が脱線し、1両からアンモニアが漏れたと報告されている。

事故現場近くの高速道路も封鎖されており、クリスマス休暇に影響が出た。セルビアとブルガリアを結ぶ高速道路は西欧で働く人々が母国に戻る際に利用するため、非常に混雑する。

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