◎女性編集者はキャスターの後ろに立ち、「戦争反対、戦争をやめろ、プロパガンダを信じるな、彼らはここで嘘をついている」と書かれて看板を掲げた。
2022年3月14日/ロシアの国営チャンネル1、反戦を訴えると編集者とキャスター(The Times of Israel/AP通信)

3月14日、ロシアの国営チャンネル1の女性編集者がニュース番組中に反戦デモを行った。

AP通信などによると、この女性編集者はキャスターの後ろに立ち、「戦争反対、戦争をやめろ、プロパガンダを信じるな、彼らはここで嘘をついている」と書かれた看板を掲げた。

女性はチャンネル1の映像編集者であるオヴシャニコワ氏と特定された。

ロシアのメディアはプーチン大統領の管理下に置かれており、ウクライナで進行中の戦争についてはロシア側の言い分のみ報じている。

オヴシャニコワ氏は警察に拘束されたと伝えられているが、詳細は分かっていない。

番組ディレクターは即座に録画されたニュース報道に切り替え、問題に対処した。

タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、オヴシャニコワ氏は拘束前に録画したとされるビデオ映像の中で、「戦争反対!」「テレビで嘘を流したことを恥じている」「ロシア人がゾンビになるのを許したことを恥じている」などと述べ、政府を強く非難したという。

またオヴシャニコワ氏はロシアのウクライナ侵攻を「犯罪」と呼び、「クレムリンのプロパガンダのために働くことを恥じている」と述べ、ロシア国民に戦争への抗議を呼びかけ、国民だけがこの狂気を止めることができると訴えた。

オヴシャニコワ氏の身元が明らかになると、同氏のFacebookアカウントにはウクライナ語、ロシア語、英語で感謝の言葉が寄せられた。

ロシアのニュースはクレムリンの管理下に置かれており、独立した視点を持つメディアは活動を厳しく制限されている。

当局はウクライナ侵攻後に新しい法律を導入し、メディアの取り締まりをさらに強化した。この法律では軍事行動を「侵略」と呼んだり、ウクライナ寄りのニュースを流すことを禁じ、ロシアで活動する国外メディアも取り締まりの対象としている。

ロシアのメディアはこの戦争を「特別軍事作戦」と呼び、ウクライナ政府をネオナチとして描いている。

国内で活動していた独立系メディアやオンラインTVチャンネルは放送や出版を中止し、国外の主要メディアも活動を制限している。

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