◎ロシアは戦略核の訓練を定期的に行っているが、事前に訓練を公にしたのは初めてである。
ロシア空軍のTu-22M3戦略爆撃機(Russian Defense Ministry Press Service/AP通信)

ロシア政府は6日、ウクライナ戦争に深く関与する可能性があるという西側高官の発言に激怒し、イギリスの軍事施設を攻撃すると脅したうえで、戦術核兵器の使用を想定した訓練を行うと発表した。

イギリスのキャメロン(David Cameron)外相は先週、「ウクライナ軍は我々が供与した長距離兵器でロシア領内を攻撃できる」と発言した。

ロシアはこれを受け、モスクワの駐英大使を召喚。「イギリスが供与した兵器でウクライナがロシア領内を攻撃した場合、ウクライナ国内または他の場所にあるイギリスの軍政施設に報復攻撃を行う可能性がある」と警告した。

この発言はプーチン(Vladimir Putin)大統領の5期目就任式の前夜、そして第二次世界大戦で旧ソ連がナチスに勝利したのを祝う「戦勝記念日」の週に飛び出した。

国防省は声明の中で、「今回の戦術核訓練はロシア連邦に関する西側の特定の当局者の挑発的な発言や脅迫に対抗するものである」と述べた。

ロシアは戦略核の訓練を定期的に行っているが、事前に訓練を公にしたのは初めてである。

戦術核は戦場での使用を目的としたもので、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの長距離兵器に搭載される核弾頭に比べると射程が短く、威力も低い。

フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は先週、「ウクライナへの派兵の可能性を排除しない」と繰り返し、イギリスのキャメロン氏は「ウクライナはロシア国内の目標を攻撃するためにイギリスの長距離兵器を使用できる」と述べた。

ウクライナに兵器を提供している他のNATO諸国はその可能性に二の足を踏んでいる。

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