◎ロシア空軍は核弾頭を搭載できるTu-22M3戦略爆撃機を2機ベラルーシに派遣した。
2021年5月28日/ロシア、ソチの黒海リゾート、ウラジーミル・プーチン大統領とベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

12月18日、ロシア国防省は同盟国ベラルーシの領空をパトロールするために、核弾頭を搭載できる戦略爆撃機を2機派遣したと明らかにした。

国防省は声明の中で、空軍のTu-22M3戦略爆撃機はベラルーシ空軍の任務を支援したと述べた。ベラルーシはロシアから購入したSu-30戦闘機で国境付近をパトロールしている。

両国はウクライナ東部とポーランドの国境付近で進行中の問題を強く意識し、西側諸国に繰り返し圧力をかけている。ロシア軍はウクライナ東部に兵士推定10万人を派遣した可能性があると伝えられている。ベラルーシは国境を接するポーランド、リトアニア、ラトビアに中東やアフリカの移民希望者を送り込んでいる。

ロシアは17日、米国とNATO(北大西洋条約機構)に厳しい平和条約の草案を提示した。ロシアはウクライナのNATO加盟を認めない法的保証や、バルト海諸国へのNATO軍の配備禁止などを求めているが、西側が草案を却下するのはほぼ確実である。

一部のウクライナ当局者は、ロシア軍がベラルーシの領土を前哨基地として使用する可能性があると懸念を表明した。ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は先月、「ロシアの核兵器を配備する準備はできている」と公式の場で述べ、EUを威嚇した。

ルカシェンコ大統領は2020年の大統領選挙で勝利を主張したが、西側は選挙結果を却下し、民間人に対する暴力やジャーナリストの弾圧に厳しい経済制裁で対抗した。

ルカシェンコ大統領は18日の声明で、「ベラルーシは旧ソ連時代からソ連製の軍事インフラと兵器を注意深く保存してきた」と述べたが、どのような兵器を保有しているかは明らかにしなかった。

一部の専門家は、「ロシアがベラルーシに核兵器を配備する可能性はほぼゼロに等しいが、ベラルーシが旧ソ連時代の兵器や化学兵器を保有していることは間違いない」と指摘した。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はルカシェンコ大統領の核兵器に関する発言を「西側の無謀な政策に対する警告」と呼び、擁護した。

ベラルーシの外交官であるウラジミール・マケイ氏は18日に発表されたインタビューの中でルカシェンコ大統領の発言を強く支持した。マケイ氏は、「NATOはポーランドに軍を展開する可能性があるため、私も核兵器の配備に同意する」と述べた。

またマケイ氏は米国を強く意識し、「西側の軍事同盟はロシアの領土であるウクライナに軍を配備し、地域の安全保障に極めて深刻な影響を与えるつもりである」と非難した。「米国はウクライナを橋頭堡(きょうとうほ)にするつもりです...」

ロシアは先月、核対応戦略爆撃機を少なくとも2度ベラルーシに派遣した。

2021年11月10日/ロシア空軍のTu-22M3戦略爆撃機(Russian Defense Ministry Press Service/AP通信)
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