◎世界最大のハンバーガーチェーンは16日、ロシアから完全撤退すると発表した。
1990年1月31日/ソビエト連邦、モスクワ、マクドナルドの開店日(AP通信/Getty Images)

ロシアの市民は17日、国内で営業を継続している数少ないマクドナルド・モスクワ店に行列を作り、最後になるかもしれないビックマックを味わった。

世界最大のハンバーガーチェーンは16日、ロシアから完全撤退すると発表した。

マクドナルドは1990年にソビエト連邦に進出し、同国内における米国の資本主義を象徴する存在になった。同年1月31日の開店初日にはビックマックを求めて3万人以上が列を作り、世界記録を塗り替えた。

同社は3月、西側諸国の制裁に追随する形でロシア国内の全店舗を一時閉鎖すると発表した。

モスクワのレニングラードスキー駅店の行列に並んだ男性はアルジャジーラの取材に対し、「国内のマクドナルドはほとんど営業していない」と悲しそうに語った。「ビックマックが恋しくて並びました...」

マクドナルドはロシア国内の約850店舗のうち84%を現地の買い手に売却する予定である。フランチャイジーが運営する残りの店舗がどうなるかは明らかにされていない。

新しいオーナーはマクドナルドの社名、ロゴ、ブランド、メニューを使用することはできないため、品質低下を心配するロシア人も多い。

モスクワの大学に通う女性は、「昨日、マクドナルドがもうすぐ閉店し、新しい名前でオープンするという記事を読み、大急ぎでお気に入りのチーズバーガーとミルクシェイクとポテトを買いました」と語った。「品質が落ちないか心配です...」

ロシアの国営メディアによると、一部のフランチャイズ店は営業を続けており、連日長蛇の列ができているという。

サンクトペテルブルク中心部のフランチャイズ店の運営者はアルジャジーラに「需要は日を追うごとに高まっている」と語った。「モスクワ店も繁盛していると聞きました...」

マクドナルドは撤退後もロシアでの商標を保持する。

一部のアナリストは、復帰できるか否かはプーチン(Vladimir Putin)大統領次第と指摘する。ロイター通信は情報筋のコメントを引用し、「新しいオーナーは6月に営業を始める」と報じた。

南部とシベリアでもいくつかのフランチャイズ店が営業を続けている。

南部の店舗を利用したと思われる男性はオンラインレビューに、「2時間半、車を走らせた」と投稿している。「自宅からこのマクドナルドまで250kmですが、私は車を走らせました...」

ビックマックやチーズバーガーは冷戦の緊張が解けた象徴となり、西洋の食と文化を味わう手段のひとつになった。

ここ数年、マクドナルドはロシアで最も手頃かつ手軽な昼食のひとつになっていた。

レニングラードスキー駅店の行列に並んだ50代の男性は、「90年代の行列を思い出せば大したことはない」と語った。「私は西側の味を忘れないでしょう...」

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