◎ロシアはフィンランド首脳がNATO加盟を支持すると表明した後、報復措置を取ると警告していた。
2022年4月6日/ブリュッセルのNATO本部、左からフィンランド外相、スウェーデン外相、NATO事務総長(NATO)

ロシアのエネルギー企業RAOノルディックは13日、フィンランドへの電力供給を14日から停止すると発表した。

RAOノルディックによると、フィンランドの事業者は電力料金を支払っていないという。

フィンランドの送電会社フィングリッドは、「ロシアから供給される電力は国内で消費する電力のごく一部に過ぎず、他の発電設備で代替可能」とした。

ロシアは12日、フィンランド首脳がNATO加盟を支持すると表明した後、報復措置を取ると警告していた。

フィンランドとロシアは1300km以上の国境線を共有している。フィンランドは15日に正式に加盟を表明する予定である。

RAOノルディックは声明の中で、「今回の事態は過去に例がなく、20年以上にわたる同社の取引の中で初めて起きたものだ」と説明している。

フィングリッドもRAOノルディックも未払いに至った経緯を説明していない。

フィングリッドは恐らく、西側の対ロシア制裁に基づき電力料金をユーロ建てしようとし、RAOはプーチン大統領の方針に基づきルーブル建てを要求したものと思われる。

ロシア国営ガスプロム社は先月、ブルガリアとポーランドへの天然ガス供給を停止すると発表した。ブルガリアとポーランドは西側の制裁に反するとして、ルーブル建てを拒否していた。

ガスプロムは今週、ヤマル・ヨーロッパのポーランド行きガスパイプラインを停止すると発表した。

フィングリッドによると、ロシアの送電線から供給される電力は全体の約10%に過ぎず、停止しても電力不足に陥る可能性はないという。

フィングリッドの電力システム担当VPは声明で、「ロシアの送電停止は、スウェーデンからの電力輸入を増やすことと、フィンランド国内の発電量を増やすことで賄われます」と述べている。

フィンランド電力需要は気温の上昇に伴い減少している。地元メディアによると、当面は風力発電で不足を補う見込みだという。またフィングリッドは新しい原子力発電所の運開に向けた準備を進めており、今夏にも稼動させる予定。

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