◎ロシアはウクライナ東部と南部4州を併合したと宣言したものの、ウクライナ軍の反攻に押されている。
2022年10月1日/ウクライナ、東部ハルキウ州クピャンスクの橋(Evgeniy Maloletka/AP通信)

ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ(Ramzan Kadyrov)首長は1日、ロシア軍がウクライナ軍に圧倒されていることを受け、ロシア政府は低出力核兵器の使用を検討すべきだと主張した。

カディロフ氏は軍司令部の失敗を非難し、より思い切った手段を取るべきだとSNSに投稿した。

ロシアはウクライナ東部と南部4州を併合したと宣言したものの、ウクライナ軍の反攻に押されている。

ロシア国防省は1日、兵士数千人が包囲される恐れがあるとして、東部ドネツク州の要衝リマンから部隊を撤退させたと報告した。

ドネツク州はロシアに併合された州のひとつである。

多くの専門家がウクライナ軍はリマン奪還でより優位に立てると指摘した。

この町は東部ロシア軍の物流拠点として利用されてきた。ウクライナ軍はここからドネツク・ルガンスク両人民共和国を含む親ロシア勢力を攻撃できるようになるだろう。

SNSで拡散した動画にはリマン郊外でウクライナの国旗を掲げる兵士の姿が映っていた。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は1日のビデオ演説でリマン奪還を称賛する一方、東部の広い地域でまだ戦闘が続いていると国民に呼びかけた。

ロシア軍はルハンシク州の制圧を宣言しているものの、その西に位置するドネツク州のウクライナ軍拠点へは攻め込めず、州境で押し返されているようだ。

チェチェンのカディロフ氏はロシア軍の敗走を非難し、「低出力核兵器の使用を検討すべきある」とテレグラムに投稿した。「国境付近の戒厳令や低出力の核兵器使用を含む、より思い切った手段を取るべきだ」

ウクライナ国防省の報道官は公共放送のインタビューで、「リマン奪還は大きい」と語った。「リマンの奪還は大きな成功を意味します...」

また報道官は「投降したロシア兵は戦争犯罪者として拘束された者より良い待遇を受ける」と説明した。

ロシア国防省は1日、リマンから撤退したことと、この地域でウクライナ軍に押されていることを認めた。

米シンクタンク戦争研究所は、「ウクライナ軍は反攻の波に乗っているように見える」と報告している。ゼレンスキー氏は30日の演説でプーチン(Vladimir Putin)大統領の併合宣言を却下し、全領土を奪還すると誓った。

またゼレンスキー氏は「ウクライナの全領土を解放する試みは国際法に違反していないと証明できる」と強調した。

2022年10月1日/ウクライナ、東部ハルキウ州クピャンスク、放棄されたロシア軍の戦車(Evgeniy Maloletka/AP通信)
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